#JCEJ 活動日記

日本ジャーナリスト教育センター(Japan Center of Education for Journalists)の活動を紹介しています!

「農協さん」建築当時の雰囲気をなるべく生かしていきたい #美又PJ

日本ジャーナリスト教育センター(JCEJ)が地域の拠点として取得した島根県浜田市金城町美又の「農協さん」(旧美又信用購買販売組合)で10月23日、和田デザイン事務所と工務店・建匠(けんしょう)とJCEJで修繕・改修の方向性の打ち合わせを行いました。

10月12日の大安に工事が始まり、壁や天井を外したことで建物の状況が分かって来ました。和田さんや建匠の棟梁さんとそれらを確認しながら「建築当時の雰囲気をなるべく生かす」ことを決めました。

「農協さん」の建物は大きくは、「共存同栄」マークを掲げている大きな建物、右側の倉庫、左側の増築部分(格子窓があるところ)と3つあります。倉庫は壁の一部に穴が空いたり、屋根の瓦が破損したり、しており痛みが激しいのですが、予算の都合で今回の修繕・改修では対象外です。

「共存同栄」マークを掲げている大きな建物の1階は、JAが事務所として利用するためカウンターや会議室のようなスペースなどがありました。下の写真が「農協さん」を引き継いだ時の1階部分です。柱の向こう大きな窓があるところは増築部分です。

天井を取り外すと、クリーム色の天井板があり、それも外すと太い梁が出現し、鉄骨などが出現しました。

写真を見ていただくと左側にクリーム色の天井が、右側はそれを外しています。境目に鉄骨があり柱が支えています。建築当時は1階は小さな区画に分かれていたと見られますが、それを広げた際に補強のために後から取り付けたのではないかということでした。

天井に電気やクーラーの配管を配置する必要があり、その際には出現した太い梁を活かすことになりました。クリーム色の板は天井だけでなく壁部分にも使われていることが分かり、それもどこかに活かせないか検討しています。

また、壁を外した部分には窓があることが分かりました。写真の奥の部分、アルミサッシの窓の上に塞がれていた窓が見えています。

旧事務所部分がどのように生まれ変わるのか楽しみです!

ここはトイレがあったスペース。瓦が一部壊れており、屋根もだいぶ傷んでいるため修繕が必要な部分が増えました。

増築部分と大きな建物の接合部分です。外観に使われている水色が鮮やかに残っています。

増改築の痕跡は「農協さん」の建物の歴史を物語ります。

引き続き工事が行われていますので安全のため関係者以外は建物と敷地には立ち入ることができません。ご協力をよろしくお願いいたします、

建物を生かすためにクラウドファンディングを実施中です。リターンは、地元島根県を中心に活躍する職人やデザイナーやクリエイターと新たに開発してお届けします。特徴的な建物をイラストにした絵葉書やエコバッグ、「共存同栄」マークをモチーフにしたステッカーやマグカップなどです。ぜひクラウドファンディングでご支援をお願いします。

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東京から「農協さん」と木工作家・沖原さんの工房を訪ねて #美又PJ

こんにちは、JCEJ運営委員の赤倉です。去る9月30日、クラウドファンディングの現地イベントへの参加も兼ね「農協さん」を訪ねてきました。ここではそのときの様子をお届けします。ご参考までに東京在住の私が今回採ったルートはこちら。

往路:近所の駅 → (JR) → 羽田空港 → (飛行機) → 広島空港 → (レンタカー) → 農協さん
復路:農協さん → (レンタカー) → 木工作家・沖原さんの工房 → (レンタカー) → 広島空港 → (飛行機) → 羽田空港 → (JR) → 近所の駅

この日は始発電車で羽田空港に向かい、午前7時発のJAL253便に搭乗。定刻8時20分に広島空港に到着後、レンタカーを借りました。農協さんが位置するのは陸の孤島とも言われる島根県の美又地区。移動に車は欠かせません。カーナビに農協さんの住所「島根県浜田市金城町追原215」を打ち込み、発車。走行距離は約130キロと長く、途中サービスエリアでの休憩を2回挟みましたが、渋滞に巻き込まれることなく10時40分に農協さんに到着。合計約6時間の往路は平穏なものでした。今回は時間制約があり高速道路を使いましたが、時間に余裕があれば風景を楽しめる下道を使ってもよいかもしれません。

石州瓦の歴史の奥深さに魅了される

さて、この日のイベント「建物見学会と赤瓦のまち歩き」は地理教員・阿部志朗先生(島根県立大田高校)によるナビゲーションで進行。

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ブラタモリの様相を呈した先生の講義手法に参加者一同惹き込まれ真剣なまなざし。博識かつ熱のこもったトークのお陰で過去に想いを馳せることができた私も、追原、そして石州瓦の歴史の奥深さにすっかり魅了されてしまいました。阿部先生、ありがとうございました!

建物見学会と赤瓦のまち歩きのひとこま。

イベント終了後に向かったのはクラウドファンディング返礼品の作成にご協力いただく木工作家・沖原さんの工房なのですが、ここで暗転。カーナビに打ち込んだ、HPに掲載されている住所が誤っていたようで、異なる場所に突き進んでいたのです。車を止めスマホを確認すると(山中はキャリアの電波状態が悪く気付くのが遅れました)、田中輝美さんから「浜田市 弥栄支所」を目指せばよい旨のアドバイスが届いていました。その住所を調べカーナビに入力すると…全くことなる場所を指し示し、しばし愕然とします。ルートを変更し、気を取り直して再出発。途中雨が降ってくるもなんとか辿り着いた私を、沖原さんは温かく迎え入れてくれました。

これから沖原さんの工房を目指される方、カーナビには「浜田市 弥栄支所」の住所「島根県浜田市弥栄町長安本郷542-1」を打ち込むことを強くお勧めします。その向かいにある川を渡ったところに、沖原さんの工房はあります。

木工の世界は奥深い

工房見学で私の目を奪ったのは室内に配置されている工具・工作機械の数々。作りたいものを妥協なくつくるため、用途が同じでも利用シーンが異なる工具を使い分けるために国内外から集められたそうで、沖原さんの強いこだわりを感じます。この日は実際にそれら工具・工作機械が巧みに操られ、木皿が形作られていく様子を見せていただきました。

続けてアトリエ見学。木の香りに包まれ、北欧を感じさせてくれる空間に配置されているのは沖原さんが製作された木工作品と沖原さんが収集された家具や工芸品、家電の数々。ここで仕事ができれば捗るだろうな…。アイスコーヒーをいただきながら、一品一品、沖原さんが作品に込められた思いや工夫を語っていただきました。木工の世界、奥深いですね。

沖原さん、ありがとうございました!作品の出来上がりが楽しみです。沖原さんについてはインタビュー記事がありますので、ぜひ読んでみてください。そのこだわりのいったんが垣間見えるのではないかと思います。

jcej.hatenablog.com

17時を回ったところで帰途に就きました。20時半の搭乗まで3時間以上あり余裕あると思いきや、険しい山道。しかも雨で速度はあまり出せない。心細いなかで安全運転は心がけるも、刻一刻と近づくチェックインの〆切時間。それでも時間ギリギリでしたが何とか広島空港に到着。レンタカーを返却し滑り込みで飛行機に搭乗、無事帰宅できました。

改修後の農協さんで宿泊し温泉へ

想像以上にタフな道のりで日帰りはきつかったのですが、朗報があります。農協さんは宿泊施設としても利用できるようにしますので、オープンした暁には無理な移動はなさらず、ぜひご宿泊ください。徒歩圏内に開湯150年を超える島根県屈指の名湯、美又温泉もあります。

美又温泉入口。

クラウドファンディングは10月27日23時に期限を迎えます。江戸時代に年貢米の集積地として栄えたその場所に、昭和10年に建てられ、令和となったいまもひっそりとたたずむ「農協さん」。その活用方法を一緒に考えませんか?

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「石見の特徴を生かしたい」石見焼マグカップを提供する宮内窯・宮内孝史さんインタビュー #美又PJ

島根県浜田市金城町美又の旧農協(旧美又信用購買販売組合)建物を修復するだけでなく生かすためのクラウドファンディングでは、リターン(返礼品)を建物のシンボルである「共存同栄」の理念を第一歩として進めています。オリジナルマグカップを開発していただく江津市にある石見(いわみ)焼の窯元・石州宮内窯を訪問しました。宮内孝史さんは「石見の特徴を生かしたい」と語ってくれました。(JCEJ運営委員・田中輝美)

旧農協のある浜田市とお隣・江津市を含めたエリアは石州(せきしゅう)と呼ばれ、古くから作陶が行われていました。宮内さんは二代目で宮内窯を継いで38年になります。

Q、宮内窯について教えてください。

初代の父・宮内謙一は同じ江津市内にある石見焼の窯元・嶋田窯に生まれました。いくつかの窯場を経験して独立したのが宮内窯です。自分は長男で、紹介してもらった愛知県瀬戸市の訓練校に入り、その後岐阜で修業して23歳で帰ってきました。他の仕事をしたことはありません。特に「継ごう」と考えていたわけではないのですが、他になりたいものもなかったですし、昔は家に登り窯があって、部屋の片隅で父と一緒に過ごしていました。少し変わったことなので楽しかったですし、日ごろから見よう見まねでやっていて、窯屋の子はそうやってイメージトレーニングになっている。そこが一般の人とは違うかもしれませんね。

Q、石見の作陶の特徴はあるのでしょうか。

都野津(つのづ)層というここの土は、塩分に強く、耐水性、耐酸性を兼ね備えていたことがあります。石見焼は、固く閉まって、塩分や水気に強いので、水がめや梅干しなどを保管する「ふたつぼ」などもつくられてきました。もともと大物と言われる大型の日用雑器が主で、代表的な品は「はんど」と呼ばれる大型の水がめでした。近年は生活様式も代わり、大物は少なくなってきて、現代の生活に沿った実用的なものをつくるようになっています。

石見焼の特徴はお客さんが教えてくれる

Q、どんな商品が人気ですか。

ふたつぼ、すり鉢は安定的に注文があります。実際に展示会で他の地域に行くと「石見のふたつぼやすり鉢は壊れない」と言われます。水や塩が染みないからです。全国的に人気の食器などをつくっても、なかなか勝てんというのもあります。それと競うよりも、石見の特徴のものをつくっとかんと生き残れん、そういうのをつくってみようと考えました。

売れ行きを見ながらアイテムも考えます。お客さんとのやりとりの中で気づかせてもらう感じです。そうしないと、世の中変わっていくし、売れないようなものをつくってしまうことになります。若いときはあまり考えていなかったし、石見焼の特徴も何かよくわかっていなかったですが、お客さんが教えてくれました。

Q、作業の行程を教えてください。

粘土づくりから始まって、混ぜ合わせて、整形、仕上げ、化粧がけ、模様をつけて、乾燥、素焼き、薬をかけて乾燥、大きな窯で焼いて、窯出し、出荷。その合間に釉薬づくりもある。一連の行程を、一人でやっているのは珍しいかもしれません。体力勝負です。焼き上げまで見て、まともなのが出てきてようやくです。出せる品物になるか気が抜けんですし、焼きすぎたかなーとかドキドキします。ええ方に転がることもあるけど、がっくりすることも多い。作陶は生活の中だから、展示会で何日も出張でつくらんこうおったら、帰ってきて早く仕事したいなあ、と思ったりします。

日頃の生活のなかで、気軽に使ってほしい

今回開発するオリジナルマグカップは、島根の工芸品や食品を取り揃えるセレクトストアYUTTEを運営する企画会社「シマネプロモーション」に監修を依頼し、「共存同栄」マークを底に入れる予定です。

Q、どのようなマグカップになりそうでしょうか。

関わるきっかけは、これまでもつながりのある「シマネプロモーション」の三浦さんからお声がけがあったことです。基本的にできそうな仕事はできるだけ受けるようにしています。

普段使いというか日頃の生活のなかで、気軽に使ってほしい。そんなカップになる予定です。

(共存同栄という言葉は)地元のものを使ってもらえるのはありがたい話。この地域で焼きものをやっているんだから、石見の特徴を生かさないと。

宮内さんに制作をお願いしたマグカップのイメージ。「共存同栄」のロゴをマグカップの底に入れる予定です。

「共存同栄」の理念を大切にリターンを開発

宮内さんによる石見焼マグカップを始め、クラウドファンディングは「共存同栄」の理念を大切に、地元島根県を中心に活躍するデザイナーやクリエイターと新たに開発してお届けします。ローカルデザイナーによる手ぬぐいや地元木工作家のオーダーメイド作品などがあります。ぜひクラウドファンディングのページでリターンをご確認頂き、ご支援を頂けると幸いです。

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地域を知るにはお祭りから。学生とお祭りに行ってきました! #美又PJ

美又PJ日本ジャーナリスト教育センター(JCEJ)が地域の拠点として取得した旧農協(旧美又信用購買販売組合)のある島根県浜田市金城町美又地区でお祭りがあると聞き、地域の歴史や住民の思いを取材するローカルスタディの一環として島根県立大学生たちと福原神社に足を運びました。

一緒に行ったのは、地域政策学部の1年生4人です。ちょうど郷土芸能の石見(いわみ)神楽の奉納が行われていました。追原(おいばら)神楽社中です。石見神楽は地域のイベントなどで舞台で舞われることも増えており、神社の中で行われる神楽を見るのは初めてという学生ばかり。

特に最後の演目「大蛇(おろち)」では、それほど広くはない舞台に大蛇が4頭も登場し、とぐろを巻いて立ち上がったり、立ち回りを演じたりで「迫力がすごい!!」と感動していたほか、演じている追原神楽社中の皆さんの一生懸命な様子が伝わってきて胸を打たれた様子でした。

鑑賞中や終了後には、お供えされていたお米(御久米)や、お菓子やジュースのおすそわけをいただき、少しでしたが地域の方にお話も聞くことができました。

学生たちに帰りの車の中で感想を聞いてみると「楽しかった!」「住民の方々に優しくしてもらってうれしかった」「来年は何かお手伝いしてもっと参加してみたい」と笑顔で話していました。

大学生によるローカルスタディは、クラウドファンディング の返礼品である「冊子」に収録予定です。 「大学生が建物の歴史や住民の思いを取材し「冊子」に記録する活動を応援するコース」のご支援をよろしくお願いします。

建物を遺すだけでなく 新しい命を吹き込み、「共存同栄」のシンボルとして生まれ変わらせるためのクラウドファンディングの期間は10月27日(金)23:00までです。引き続きのご支援をよろしくお願いいたします。

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美又「共存同栄」だより(仮)創刊準備号が完成しました! #美又PJ

地元にある島根県立大学の学生が中心となり、旧農協(旧美又信用購買販売組合)の修繕と改修のプロジェクトを記録・発信する美又「共存同栄だより(仮)」の創刊準備号が無事に完成しました!

創刊準備号では、8月29日に開催した建物内見会の様子を写真付きで掲載。そして、このプロジェクトに有志で加わっている県立大学地域政策学部の学生3人の自己紹介とメッセージも紹介しています。今回はデザインと文章の一部を担当しています。

学生のメッセージは「築86年だけど自分には新しく感じて素敵でした。完成が楽しみです!」「もう一度地域と建物につながりを生み出し、愛される場所を一緒につくっていきたいです!」など。楽しみにしている様子が伝わってきます。

10月には創刊号を発行し、その後も毎月発行していく予定です。いよいよ始まる工事のことや、先日開催した赤瓦のまち歩き、そしてそのほかの学生メンバーの紹介などもお伝えしていきたいと思います。

美又まちづくりセンター(浜田市金城町追原176)や、JR浜田駅前にある浜田市まちなか交流プラザ(浜田市田町1668)に置いていただいていますので、よかったら手に取ってみてください。

先日のまち歩きで取材している様子

美又「共存同栄だより(仮)」は、建物を生かすために行っているクラウドファンディングの「冊子」に収録される予定です。「大学生が建物の歴史や住民の思いを取材し「冊子」に記録する活動を応援するコース」をご支援ください!

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旧農協(旧美又信用購買販売組合)の修繕と改修工事が始まりました #美又PJ

日本ジャーナリスト教育センター(JCEJ)が地域の拠点として取得した島根県浜田市金城町美又の旧農協(旧美又信用購買販売組合)、10月12日に修繕と改修工事が始まりました!大安ということで、この日が選ばれました。実際に朝、現地を訪れましたが、雲一つない秋晴れの天気で、まさに着工日和でした。

工事は、地元浜田市にある工務店・建匠(けんしょう)にお願いしています。古民家リノベーションの経験が豊富で、地域との交流を大切にしながら、職人による丁寧なものづくりにこだわっています。

kensho-hamada.co.jp

朝から職人さんたちが集まると、まずは一階に資材を運び込み、解体できるところから作業が始まりました。

午前10時ごろには一階事務所にあったカウンターが解体され、「懐かしい」と言われていた平成元年の消費税導入をお知らせする看板も取り外されました。

いよいよ工事が始まったのを現地で見て、実感がわいてきましたし、これからどんな風に修繕と改修が進んでいくのか、ワクワクしました。年度内には工事を終えることを目指します。

 工事期間中は安全のため、建物と敷地には立ち入ることができなくなります。ご協力をよろしくお願いいたします

 

建物を残すだけでなく、生かすためにクラウドファンディングを実施中です。「共存同栄」の第一歩として、支援いただいた方にお届けするリターンは、地元島根県を中心に活躍する職人やデザイナーやクリエイターと新たに開発してお届けします。特徴的な建物をイラストにした絵葉書やエコバッグ、「共存同栄」マークをモチーフにしたステッカーやマグカップなどです。ぜひクラウドファンディングでご支援をお願いします。

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ローカルデザイナーが「共存同栄」マークに見出した希望「地域の人も、外の人もつながり、新しいものを生み出す場に」 #美又PJ

島根県浜田市金城町美又の旧農協(旧美又信用購買販売組合)の建物の修復と活用を目指すためのクラウドファンディング島根県美又地区|地域で愛される建物にみんなで新たな命を吹き込みたいでは、返礼品の制作が進んでいます。『おもしろい地域にはおもしろいデザイナーがいる』(学芸出版社)に登場する松江市在住のローカルデザイナー安田陽子さんが、建物をモチーフにした手ぬぐいや「共存同栄」マークを生かしたペンとノートをデザインしてくれました。「地域の人も、外の人もつながって、みんなで新しいものを生み出す場になってほしい」と語る安田さんにインタビューしました。(JCEJ運営委員・新志有裕)

取材中の安田陽子さん(photography by 七咲友梨)

この建物をなくしたくないという想いに共感

Q、デザインすることになったきっかけを教えてください。

今回の修復が決まる前の昨年4月、クラウドファンディングの立ち上げ人の田中輝美さん(JCEJ運営委員)と一緒に作っている年刊誌「みんなでつくる中国山地」の取材でたまたま旧農協の建物近くを車で通る機会があり、初めて見ました。

田中さんから「おばあちゃんとの思い出が詰まったこの建物をどうにかして残したい」という思いを聞きました。

建物は外から見ただけですが、田中さんが「かわいいでしょ」という通り、建物のシンボルである共存同栄のマークはかわいいし、建物の蒲鉾みたいなアーチ構造も、モダンでおしゃれでした。

子どもの頃の「てるみちゃん」がおばあちゃんと一緒に近くを歩いている姿が想像できて、この建物をなくしたくないという想いに共感しました。 そんな強い印象が残り続けていた中で、田中さんから今年8月にクラウドファンディングをやるから、と声をかけられたことが、関わるようになった直接のきっかけです。

安田さんの取材メモ(photography by 七咲友梨)

Q、今年9月にも訪れたとのことですが、どんな印象でしたか。

前回と違い、建物に入れたので2階にも行きました。窓ガラスは昔のもので、細部にこだわりを感じて、そのまま残って欲しいと思いました。黒板もステージもあるし、学校みたいな感じがしました。

みんなで楽しく、みんなで頑張ろう、という印象

Q、マークに書かれた「共存同栄」の言葉にはどんな印象を抱いていますか。

具体的に表現するのは難しいんですが、昔の人たちが、自分のことだけじゃなくて、周りの人たちのことを見ていた、というのが今よりも自然だったんだろうな、と感じました。みんなで楽しく、みんなで頑張ろう、という印象ですかね。

安田さんデザインの返礼品「共存同栄」手ぬぐいのイメージ

Q、返礼品のグッズである「手ぬぐい」については、どんなところにこだわっていますか

建物の印象に残っているところを切り取ろうと思いました。瓦とアーチ構造と共存同栄のマークですね。色も石州瓦にあわせました。割と忠実な再現を目指しています。共存同栄のマークについては、丸っこい中に文字をおさめて角ばっているイメージを再現しました。

Q、建物はどんな風に使われて欲しいですか

みんなが一緒に何かやろうと思った時、候補にあがるといいなと思います。集中して取り組めそうだし、理想の合宿ができる気がします。そこで生まれたものを外に発信してほしいです。年刊誌「みんなでつくる中国山地」の合宿もここでやりたいです。

活用方法については、共存同栄の理念をいかして、みんなで探れるといいですね。地域の人たちだけでもなく、外の人たちだけでもなく、何かでつながり、何かを持ち寄って、形にしていく感じです。自分もその過程を見たり、関わったりできるといいなと思っています。

「共存同栄」を大切にしたクラウドファンディング

安田さんのデザイン「共存同栄」ロゴ入りペン&ノート。ローカルジャーナリストなら必携だ

安田さんが製作する手ぬぐいやペン&ノートが返礼品となっているクラウドファンディングは「共存同栄」の理念を大切に、地元島根県を中心に活躍するデザイナーやクリエイターと新たに開発してお届けします。他にも石見焼マグカップや地元木工作家のオーダーメーど作品などがあります。ぜひクラウドファンディングのページでリターンをご確認頂き、ご支援を頂けると幸いです。

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