#JCEJ 活動日記

日本ジャーナリスト教育センター(Japan Center of Education for Journalists)の活動を紹介しています!

ローカルデザイナーが「共存同栄」マークに見出した希望「地域の人も、外の人もつながり、新しいものを生み出す場に」 #美又PJ

島根県浜田市金城町美又の旧農協(旧美又信用購買販売組合)の建物の修復と活用を目指すためのクラウドファンディング島根県美又地区|地域で愛される建物にみんなで新たな命を吹き込みたいでは、返礼品の制作が進んでいます。『おもしろい地域にはおもしろいデザイナーがいる』(学芸出版社)に登場する松江市在住のローカルデザイナー安田陽子さんが、建物をモチーフにした手ぬぐいや「共存同栄」マークを生かしたペンとノートをデザインしてくれました。「地域の人も、外の人もつながって、みんなで新しいものを生み出す場になってほしい」と語る安田さんにインタビューしました。(JCEJ運営委員・新志有裕)

取材中の安田陽子さん(photography by 七咲友梨)

この建物をなくしたくないという想いに共感

Q、デザインすることになったきっかけを教えてください。

今回の修復が決まる前の昨年4月、クラウドファンディングの立ち上げ人の田中輝美さん(JCEJ運営委員)と一緒に作っている年刊誌「みんなでつくる中国山地」の取材でたまたま旧農協の建物近くを車で通る機会があり、初めて見ました。

田中さんから「おばあちゃんとの思い出が詰まったこの建物をどうにかして残したい」という思いを聞きました。

建物は外から見ただけですが、田中さんが「かわいいでしょ」という通り、建物のシンボルである共存同栄のマークはかわいいし、建物の蒲鉾みたいなアーチ構造も、モダンでおしゃれでした。

子どもの頃の「てるみちゃん」がおばあちゃんと一緒に近くを歩いている姿が想像できて、この建物をなくしたくないという想いに共感しました。 そんな強い印象が残り続けていた中で、田中さんから今年8月にクラウドファンディングをやるから、と声をかけられたことが、関わるようになった直接のきっかけです。

安田さんの取材メモ(photography by 七咲友梨)

Q、今年9月にも訪れたとのことですが、どんな印象でしたか。

前回と違い、建物に入れたので2階にも行きました。窓ガラスは昔のもので、細部にこだわりを感じて、そのまま残って欲しいと思いました。黒板もステージもあるし、学校みたいな感じがしました。

みんなで楽しく、みんなで頑張ろう、という印象

Q、マークに書かれた「共存同栄」の言葉にはどんな印象を抱いていますか。

具体的に表現するのは難しいんですが、昔の人たちが、自分のことだけじゃなくて、周りの人たちのことを見ていた、というのが今よりも自然だったんだろうな、と感じました。みんなで楽しく、みんなで頑張ろう、という印象ですかね。

安田さんデザインの返礼品「共存同栄」手ぬぐいのイメージ

Q、返礼品のグッズである「手ぬぐい」については、どんなところにこだわっていますか

建物の印象に残っているところを切り取ろうと思いました。瓦とアーチ構造と共存同栄のマークですね。色も石州瓦にあわせました。割と忠実な再現を目指しています。共存同栄のマークについては、丸っこい中に文字をおさめて角ばっているイメージを再現しました。

Q、建物はどんな風に使われて欲しいですか

みんなが一緒に何かやろうと思った時、候補にあがるといいなと思います。集中して取り組めそうだし、理想の合宿ができる気がします。そこで生まれたものを外に発信してほしいです。年刊誌「みんなでつくる中国山地」の合宿もここでやりたいです。

活用方法については、共存同栄の理念をいかして、みんなで探れるといいですね。地域の人たちだけでもなく、外の人たちだけでもなく、何かでつながり、何かを持ち寄って、形にしていく感じです。自分もその過程を見たり、関わったりできるといいなと思っています。

「共存同栄」を大切にしたクラウドファンディング

安田さんのデザイン「共存同栄」ロゴ入りペン&ノート。ローカルジャーナリストなら必携だ

安田さんが製作する手ぬぐいやペン&ノートが返礼品となっているクラウドファンディングは「共存同栄」の理念を大切に、地元島根県を中心に活躍するデザイナーやクリエイターと新たに開発してお届けします。他にも石見焼マグカップや地元木工作家のオーダーメーど作品などがあります。ぜひクラウドファンディングのページでリターンをご確認頂き、ご支援を頂けると幸いです。

readyfor.jp