日本ジャーナリスト教育センター(JCEJ)が取得した島根県浜田市金城町美又の旧農協(旧美又信用購買販売組合)について、島根県建築士会の皆さんのご協力で調査が行われ、竣工年と建築当時の間取りが分かりました。これまで築86年とお伝えしてきましたが、築88年の可能性が出てきました。
調査のきっかけは、島根県建築士会の足立正智さん(前会長)からのお声がけでした。同会は以前、県からの依頼を受けて近代建築遺産調査の一環で調査を行っており、旧農協の建物屋根裏に棟札と板図が打ち付けてあることを確認しており、それを外せばより詳しい情報が得られる、とのことでした。
足立さんはじめ、建築士会から3人が来訪され、屋根裏に登って棟札と板図を取り外してくださいました。梯子をかけて登る予定でしたが、いろいろ調べてみたところ、戸棚の横から上がれることがわかり、早速実行。下から見守っているだけでしたが、天井に空いた穴から取り外し作業の様子を垣間見ることができました。
足立さんによると「しっかりした棟札と板図が重ねて真束(小屋組みの中央で、棟木と陸梁との間に立つ束)に留められている初めて見た例だった」とのことです。
竣工年は、これまで金城町誌を基にした島根県近代和風建築総合調査報告書 で1937(昭和12)年2月11日とされてきたのでクラウドファンディングでも「築86年」とお伝えしてきましたが、取り外された板図には1935(昭和10)年12月25日との記載がありました。こちらに基づくと、築88年ということになります…!
建築当時の間取りも分かりました。一階は事務室や委員会室、物置などに細かく分かれていたようで、現在の広いワンフロアとは全く違っていて驚きました。
お忙しい中で貴重な調査をありがとうございました!
引き続き調査を行い、その結果はクラウドファンディングの返礼品にある大学生がつくる「冊子」に収録していく予定です。ぜひ大学生の活動をご支援ください!