#JCEJ 活動日記

日本ジャーナリスト教育センター(Japan Center of Education for Journalists)の活動を紹介しています!

世界に拡散した本庶佑さんの誤情報に連携して対応、ファクトチェック最前線

日本ジャーナリスト教育センター(JCEJ)は11月7日、フェイクニュース対策などを行う「ファーストドラフト(First Draft)」のアジア太平洋地域(APAC)ディレクターのAnne Krugerさんと、インドでソーシャルメディアメッセンジャーアプリの誤情報分析を行っているフリージャーナリストのPamposh Rainaさんを招いて、オンラインセミナー「国境を超えるフェイクニュース:APACのファクトチェック最前線」を開催しました。海外では誤情報の拡散を防ぐために何が行われているのか、事例紹介とともに、様々な意見が交わされました。

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右からインドのフリージャーナリストPamposh Rainaさん、「ファーストドラフト」アジア太平洋地域ディレクターのAnne Krugerさん、JCEJの耳塚佳代

世界に拡散した本庶佑さんの誤情報

オンラインセミナーでは、AnneさんとPamposhさんから、自身の取り組みや事例解説が行われました(事前に録画)。

Anneさんは、「ファーストドラフトのミッションは、害のある情報からコミュニティを守ることです」と語ったうえで、世界中のジャーナリストが参加する事実検証のプロジェクト「クロスチェック」の取り組みを紹介しました。

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Anne Krugerさん

最近の国際的なファクトチェック事例として、新型コロナウイルス関連の誤情報を挙げました。ノーベル生理学・医学賞を受賞した本庶佑さんが、「新型コロナウイルスは中国で人為的に生産された」と発言したという誤情報が、オーストラリアとインドで、ワッツアップ、フェイスブックツイッターで流れたというものです。オーストラリアでは、コロナウイルスに関する検索ワードのトレンドでこの話題がトップ入りしました。本庶さんに関するニュース報道はなく、なぜ検索しているのか調査すると、暗号化されたチャットアプリで流れてきた情報を検索していました。

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世界に拡散した本庶佑さんの誤情報(Anne Krugerさんの発表資料より)

この誤情報は、その数日後に、イギリスのテレビ番組の関係者が、自身の530万人のフォロワーに上記のような画像をツイートしましたが、国際的に連携しているメディアパートナーたちとの協力により、イギリスでもすぐにファクトチェックが実施されました。

米Institute for the futureの研究によると、誤情報の報道に関する必要なトレーニングを受けているのはジャーナリストの14.9%だけで、オーストラリアでも14.1%にとどまっています。トレーニングを受けていたとしても、1年に3日間かそれ以下、という短い期間です。

Anneさんは、地域の文脈に合わせたトレーニングの必要性を指摘したうえで、「ファーストドラフトは、知識やリソースを提供する『教える側』を育てるプログラムも行っています。地域の専門家と連携することが大切になってきます」と話していました。

インドでは宗教がらみの誤情報も流れる

次に登場したPamposhさんは、インドでは、22の公用語に加えて、複数の方言も話されているという同国特有の課題があることを指摘しました。さらに、安価なスマートフォンや4Gのネットワークが整備されたことで、ソーシャルメディアを扱う企業が進出している一方、ユーザーが情報の正確性を気にしていない問題があるといいます。「偽情報を拡散することで、暴力、時には人の死につながることを理解していない」と警鐘を鳴らしました。

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Pamposh Rainaさん

例として、3年前に起きた誤情報の拡散を挙げました。ある地域で、子どもの誘拐が起きているという噂がワッツアップなどで拡散し、暴力やリンチ事件が起きたというのです。

この地域では、歴史的に子どもの誘拐が起きていたため、部外者に対する警戒感が強く、噂を受けて、部外者に対するリンチが起きました。しかし、流れた情報は、インド国外で撮影された子どもの死体画像に、「子どもたちを守れ」というナレーションが入ったものでした。この事件を機に、インドのジャーナリストたちが、誤情報が深刻な問題だと認識するようになったそうです。

また、新型コロナウイルス関連で、当局が、感染が広がったのは国内外の数千人のイスラム教徒がニューデリーで開いた集会だと主張し、SNSやメッセージアプリは、インドでは少数派であるイスラム教徒を攻撃する動画であふれたという問題も挙げました。

宗教的な集まりで、イスラム教徒たちが、食器をなめたり、素手で食事をしたりする写真が、「ウイルスを付着させている」として広まりましたが、この画像自体は2018年からネット上にあり、新型コロナウイルスとは無関係のものだったそうです。Pamposhさんは、「政治・宗教的に分断が深まるインド社会では、最前線で戦うファクトチェッカーやジャーナリストの仕事はより複雑になります」と語っていました。

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イスラム教徒に関する誤情報が広がった(Pamposh Rainaさんの発表資料より)

インドでは、ファクトチェックの取り組みとして、多数のファクトチェッカーが参加するワッツアップのチャットグループが作られ、言語や文化に関する知識を補いあいながら、取り組みを進めています。

ただ、ワッツアップのような暗号化されたメッセージアプリでの誤情報対策は発展途上で、ワッツアップの運営側も、ユーザーが実際に見た情報を報道機関のアカウントに直接送ることのができる「ティップライン」という仕組みを作るなど、徐々に対策が進みつつあります。

アメリカ大統領選、誤情報の拡散を止めに効果

オンラインセミナーではその後、JCEJ運営委員の耳塚佳代の司会による、リアルタイムでのQ&Aセッションになりました。まず、ファクトチェックの効果があった事例がテーマとなり、Anneさんは、オーストラリアで行っていたアメリカ大統領選挙のファクトチェックを紹介しました。

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JCEJ運営委員の耳塚佳代

それは、ジョー・バイデン候補(当時)のディープフェイク(人工知能などの高度な合成技術を用いて作られる、偽の動画)です。バイデン候補が集会で、「こんにちは、ミネソタ」と呼びかけたにもかかわらず、背景はミネソタからフロリダにすり替えられていました。バイデン候補が、自分のいる州を間違えているとして、動画が広まりました。

しかし、バイデン陣営から公式動画をもらって確認したところ、誤りがわかったそうです。フロリダは暖かいはずなのに、バイデン候補が寒そうにしていたことなども手掛かりになりました。ファクトチェックを行うことで、拡散は比較的早く止まったといいます。

一方、Pamposhさんは、新型コロナウイルスパンデミックについて、「ベジタリアンはコロナにかからない」「スパイスがきく」といった食に関する誤情報が溢れていて、政治問題などをウォッチしていたインドのファクトチェッカーたちが、すぐに切り替えて対応したことによって、拡散を食い止める効果があったそうです。

報じられることで広まってしまった「Momoチャレンジ」のデマ

また、ファクトチェックがうまくいかないケースを考える上で、耳塚は、ファクトチェックなどで間違いを指摘されても、自分の価値観と異なる情報を信じずに、さらにその価値観を強めてしまう「バックファイア効果」が起きる懸念を挙げました。

これに対し、Anneさんは、「すぐにファクトチェックすると、逆に誤情報がもっと拡散してしまう。遅すぎると逆にゾンビのように蘇ってしまう」と、発信タイミングの難しさを語ったうえで、2018年から19年にかけて、10代の若者の間で広がった捏造コンテンツ「Momoチャレンジ」の例をあげました。

これは、Momoという、日本人アーティストの作品画像(目の飛び出た女性の画像)を使った謎の存在が、YoutubeSNSで子供たちに自殺するように指示しているというデマです。もともとは限られたコミュニティでシェアされていたものですが、ファクトチェックの記事が出ることで、逆に親たちが不安になり、さらにデマが拡散されてしまったそうです。(補足:Guardianの記事によると、英国では、地元紙や大手メディアが報じ、英国の北アイルランド警視庁が注意を促すコメントを出したことで、噂に信憑性を与えてしまい、さらに拡散したそうです)

www.theguardian.com

伝わりやすいフォーマットを考えることが必要

また、今後の課題について、2人に聞いてみたところ、ファクトチェックの表現方法をめぐる問題が指摘されました。

Anneさんは、読者は記事の本文を読まず、見出ししか見ないことが顕著だとして、見出しにこだわることの必要性を挙げました。「噂があることをヘッドラインで繰り返すと、それが事実のように見えてしまう」と語っています。具体的には、Twitterで紹介する際には、シンプルな見出しにすることや、注目されるようなビジュアル面での工夫が必要だとのことです。

一方、Pamposhさんも、「ファクトチェックのフォーマットをクリエイティブに考える必要がある」として、フォーマットを見やすく、シンプルにする、リンクを入れ込むといった工夫をすることで、読者が「こういう情報を見たけど、間違っていた」とシェアしやすくなると説明しました。「メディアリテラシーの視点も入れて、どうすれば伝わりやすいかを考えることが必要です」と語っていました。

(まとめ:JCEJ運営委員・新志有裕)

オンラインセミナー「国境を超えるフェイクニュース:APACのファクトチェック最前線」を開催します

日本ジャーナリスト教育センター(JCEJ)では、フェイクニュース対策などを行う「ファーストドラフト(First Draft)」のアジア太平洋地域(APAC)担当者らを招いたオンラインセミナー「国境を超えるフェイクニュース:APACのファクトチェック最前線」を11月7日(土曜日)19時30分から開催します。

開催日時: 11月7日(土曜日)19:30〜20:30

主催: 日本ジャーナリスト教育センター (JCEJ)

参加費:無料

スピーカーと内容

Anne Kruger:日本に関連するフェイクニュースが、オーストラリアなど海外で拡散している事例
Summer Chen:市民と連携したファクトチェックの事例
Pamposh Raina : インドにおけるコロナウイルス関連の事例、モディ政権下でのジャーナリストへの圧力とファクトチェックへの影響

司会: 耳塚佳代:日本ジャーナリスト教育センター

進行: スピーカーからの情報提供、ディスカッション、質疑 プレゼンや質疑は英語で進行しますが、日本語への翻訳を行う予定です。


スピーカーのプロフィール

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Anne Kruger:ファーストドラフト(First Draft )APACディレクター 。CNN香港、ブルームバーグTV、ABCなどで国際ジャーナリストやアンカーを務める。Cyber News Verification Labの設立者で、ユネスコアジアの2019年連邦選挙CrossCheck Australiaを監修。InternationalFact-Checking Network(Poynter)の評価者、Google NewsInitiativeのトレーナー。

  

 

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Summer Chen:台湾ファクトチェックセンター編集長。2020年台湾総統選挙や、新型コロナウイルスパンデミックに関連する事実検証プロジェクトを主導。2019年よりファクトチェッカーとして活動。元新聞記者。

 

 

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Pamposh Raina :フリージャーナリストとして、政治、ジェンダー、子供の権利などのテーマでニューヨーク・タイムズやAPFに寄稿。インドでのソーシャルメディアメッセンジャーアプリの誤情報分析を行う。ジャーナリズムとテクノロジー分野のコンサルタント会社Fathmのリードを務めている。

 

 

多数の申し込みありがとうございました。申込みは締め切りました。

以下のフォームからお申し込みください。締め切りは11月6日(金曜日)です。 

 

報道を通じて拡散したトイレットペーパー不足の誤情報、「報じない勇気」を持てるか コロナとメディアのあり方議論

日本ジャーナリスト教育センター(JCEJ)は Google ニュースイニシアティブの協力で10月5日、「新型コロナウイルス情報とメディアの信頼」と題して、オンラインセミナーを開催しました。パネルディスカッションでは、新型コロナウイルスの報道をめぐり、世界各国で共通して起きている課題などが議論されました。(JCEJ運営委員・新志有裕)

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パネルディスカッションの模様

セミナーでは、アジア太平洋地域7カ国で実施された「メディアへの信頼」の調査(一般公開なし)を報告。香港大学ジャーナリズム・メディア研究センター副教授の鍛治本正人さんが、調査結果の分析を解説しました。

さらに、専修大学教授で、ジャーナリストの澤康臣さんは、英国オックスフォード大学ロイタージャーナリズム研究所の「デジタルニュース報告書2020」から、日本のニュース信用度について解説。ニュース信用度は世界的に少しずつ低下する中、日本でも2017年の43%から、徐々に下がり、2020年は37%になったことや、日本では他国と異なり、ニュースを知るための手段として、TwitterFacebookを凌駕していることなどを報告しました。

その後のパネルディスカッションでは、調査結果の見方や、日本の報道の特徴などについて、様々な意見が交わされました。

若者が右・左両方の情報を見ている、ということの意味

進行役のJCEJ運営委員・耳塚佳代が、今回の調査について、ニュース消費者の複雑な態度を浮き彫りにしているのではないかと問題提起しました。自身が現在留学で滞在しているアメリカを見ても、「デマを信じるのは若者」という一面的な見方ではなく、高齢者が誤情報を拡散しているという見方や、極右の陰謀論者が、政治的に右・左関係なくニュースをチェックしているという見方があるからです。

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耳塚佳代

鍛治本さんは、「いろいろな研究結果をみても、トピックによって全然違う。政治問題は年齢が上になればなるほど、誤情報を信じやすい、若者の方が右・左の情報を見ているという調査結果がアメリカではあります。でもコロナは逆で、若者の方がだまされやすいという研究もあります」と指摘。

 さらに、「若者は右の情報も左の情報も両方見ている」という調査結果についても、さらに詳細に分析すると、右の人は左の情報を攻撃するためにみている場合もあり(逆も同様)、「両方に接しているからバランスのとれた見方をしていると一概に言えるわけではない」と話しました。

香港でも日本と全く同じことが起きた

また、トイレットペーパー不足が世界中で起きたことを踏まえ、報道機関が誤情報を拡散することの副作用についても話題になりました。

鍛治本さんは、日本で2月末にトイレットペーパー不足の情報が広がる3週間前、香港でも全く同じ現象が起きており、政府、大手のスーパーマーケットチェーンなどが、在庫は十分にあるという情報を発信したものの、買い漁る現象は止まらなかったことを説明しました。同じことは、シンガポールやオーストラリアなどの各国でも起きました。そこにあったのが、報道機関が「消費者が列を作っている」「どこの店でも売り切れ」などというニュースを流し、ソーシャルメディアで拡散されたという構造だといいます。

 鍛治本さんは、困難なことだとわかりながらも、報道機関に対して、「無視する勇気」「飛びつかない勇気」が必要だと語っていました。

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鍛治本正人さん

異様なまでの匿名社会になっている日本のソーシャルメディア

さらに、TwitterFacebookを凌駕しているといった日本の特殊性についても話が及びました。

澤さんは、「ソーシャルメディアの使い方が異常なほど匿名よりになっている」ことが最も特徴的で、日本のニュース利用者は、シェアやコメント、いいね!を押すこと自体が非常に少ない国だと解説しました。

参加者から、そのような日本特有の行動特性があるにも関わらず、実際にシェアされているニュースは党派性が強いもの多いことについての質問が出ました。これに対して、澤さんは、「ロイターレポートのアンケートでは党派性を嫌う傾向が出ていて、シェアされているものは数少ないシェア好き」であり、「強めに意見を言いたい」マイノリティが存在していることを説明しました。

また、日本は感染者数の速報合戦が起きている、という参加者の指摘に対して、澤さんは「市民がいまどうなっているのかを考えうる材料があることは重要」としつつも、「そこにリソースを割きすぎじゃないかという議論はある」と語りました。

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澤康臣さん

どうリテラシーを高めていけばいいのか

どのようにしてメディアリテラシーを高めればいいのか、という参加者からの質問もありました。鍛治本さんは、メディアの人間が学校などに出向いて子どもたちに語る取り組み(例えば、日本では新聞業界のNIEなど)について、次のような見解を語りました。

「メディア側のニュースはこうやって作ってるんだよ、報道は一生懸命だよ、ということと、これだけやっているからもっと信じてくださいよ、という姿勢が透けて見えることも多い」

取り組みが成功したかどうかのバロメーターとして、どれだけそのメディアを見るようになったかを計測することは「ちょっとおかしいのではないか」と指摘しました。

さらに、「知識を高めるような報道をすることが一義であって、信じてもらえるかどうかはその次です。信用や信頼は感情的なもので、理性ではありません。政治家の発言でも、『あの人なら信用する』とか、『1個や2個発言を間違っても気にしない』という人は多い。信用の度合いと情報の精度にギャップがあります。それを踏まえた上でのメディアリテラシー教育だと思います」と語りました。

 

【お知らせ】日本ジャーナリスト教育センター(JCEJ)では、フェイクニュース対策などを行う「ファーストドラフト(First Draft)」のアジア太平洋地域(APAC)担当者らを招いたオンラインセミナー「国境を超えるフェイクニュース:APACのファクトチェック最前線」を11月7日(土曜日)19時30分から開催します。参加は無料です。以下からお申し込みください。

JCEJ オンラインセミナー「国境を超えるフェイクニュース:APACのファクトチェック最前線」申込フォーム


オンラインセミナー「新型コロナウイルス情報とメディアの信頼」を開催します

日本ジャーナリスト教育センター(JCEJ)は、10月5日(月曜日)19時30分から、オンラインセミナー「新型コロナウイルス情報とメディアの信頼」を開催します。

Google の協力によりKantar社が実施したアジア太平洋地域7カ国での「メディアへの信頼」に関する調査結果の概要を発表します。 調査結果について、ニュースリテラシーや誤情報エコシステムの専門である香港大学准教授の鍛治本正人さんの分析や、元共同通信記者で「ロイター・インスティテュート・デジタルニュースリポート」の日本パートの執筆を担当している専修大学教授の澤康臣さんからもお話していただき、JCEJ運営委員でニューヨーク大学院留学中の耳塚佳代とディスカッションします。

開催日時: 10月5日(月曜日)19:30〜20:30

主催: 日本ジャーナリスト教育センター (JCEJ)

協力: Googleニュースイニシアティブ

参加費:無料

当日の内容: メディアへの信頼とCOVID-19に関するオンライン調査の結果紹介(関井 利光さん Kantar Japan メディア&デジタルディレクター)
調査結果から見る「メディアへの信頼」と「ニュース知識」の相関関係 (鍛治本 正人さん 香港大学ジャーナリズム・メディア研究センター准教授)
ロイター・インスティテュート・デジタルニュースリポート日本の概要 (澤 康臣さん 専修大学教授)
ディスカッション「報道機関が信頼を得るためには?」 (鍛治本さん、澤さん、耳塚佳代 JCEJ/ニューヨーク大学院)

Q & A

多数の申し込みありがとうございました。申込みは締め切りました。

ご参加には事前の申込みが必要です。以下のフォームから申し込みください。申し込みは10月3日(土曜日)までです。 

「フェイクニュース」という言葉を使わず考えよう ー EAVIのメディアリテラシー教材日本語版を作成しました!

日本ジャーナリスト教育センター(JCEJ)は、欧州でメディアリテラシー教育を推進する非営利団体EAVIが作成した授業用教材「フェイクニュースという言葉を使わず考えてみよう ー 10種類の情報区分」(Beyond 'fake news' - 10 types of misleading news)を邦訳、無料公開しました。

※日本語版のダウンロードはこちらから

インターネット上では、いわゆる「フェイク(偽)ニュース」が問題になり、信頼できる情報を見分けるのは困難です。しかし、記事広告やミスリーディングな画像、善意で拡散される誤情報など、私たちに悪影響を及ぼし、混乱を招くコンテンツはさまざまです。そうした情報を「フェイクニュース」という言葉でひとくくりにせず、分類して考えながら、議論を促すのがこの教材の目的です。授業などで、教員や講師の説明と合わせて使用する前提で作られています。

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 JCEJは、EAVIの許可を受けて邦訳しています。EAVIのホームページでは、日本語・英語を含む11言語で教材がダウンロードできます。詳しい説明は以下をご覧ください。

教材の意図・使い方について(EAVIホームページより抜粋)

Our Beyond Fake News infographic identifies the 10 types of potentially misleading news. It was created to be used in class with real-world examples to spark classroom debate and reflection on the ways that media is constructed.

We are loath to put the term ‘fake news’ in the title of the infographic as, ironically, the term itself is a misleading simplification. Apart from the fact that the term has been co-opted to attack and silence mainstream media, the suggestion that there are simply two types of news; real and fake, doesn’t leave much room for nuance.

このインフォグラフィックでは、誤解を与えやすい情報を10種類に分類しています。実例とともに授業で使用し、議論を促したりメディアの構造について考えたりすることを想定しています。

フェイクニュース」という言葉をタイトルに使うのは、あまり気が進みませんでした。皮肉なことに、この単語自体が、情報環境を単純化していて、誤解を生みやすいものだからです。「フェイクニュース」という言葉は、主要メディアを攻撃し、黙らせるために使われています。また、情報には「リアル」と「フェイク」の2種類しかないという考え方では、単純な議論しかできません。

The 10 types - 10区分

Of course, neither of the 10 types can be seen in isolation to the others. Partisan news outlets may also be identified as propaganda. And propaganda can be found in a sponsored post. Pseudoscience and conspiracy theories certainly enjoy each others company, see: anti-vaccination movement and climate change denialism. Likewise, completely bogus content may entice its audience with a clickbait headline. Finding examples and identifying which categories they fit into is all part of the fun of using this graphic.

もちろん、10種類の情報はどれも、独立したものではありません。極端に偏った政治的情報を流すサイトは、プロパガンダとも言えるかもしれません。プロパガンダは、スポンサー記事として私たちの目に触れることもあるでしょう。また、ニセ科学陰謀論は(例えば反ワクチン運動や地球温暖化の否定論のように)互いに「好相性」です。同様に、完全なねつ造コンテンツは、釣りタイトルで読者の気を引こうとします。この教材を使うことで、楽しみながら事例を見つけ、どのカテゴリーに分類されるのかを考えることができます。

The motivations - 動機

The motivations behind certain kinds of content can be many and varied. Money or power are almost always present however, there may be other motivations at play. A pseudoscientific column about climate change may be motivated by a certain ideological or political cause. However, another form of pseudoscience, health news, which some have identified as being among the most prolific in the ‘fake news’ typology, might be motivated by money or share similarities with clickbait characteristics; “The Secret Diet Your Doctor Won’t Tell You About” is a familiar refrain.

コンテンツ作成の動機は一つではなく、さまざまでしょう。金銭や権力が背景にあるのは常ですが、ほかの理由が働いている場合もあります。特定のイデオロギーや政治的な大義から、地球温暖化に関する科学的根拠のない記事が広まることもあります。また、ニセ健康情報の蔓延は「フェイクニュース」の中で最も深刻だと言う人もいますが、金銭目的のことも多く、釣りタイトルに似た手法が使われています。「医者が教えてくれない秘密の食事法」といったタイトルは常套句です。

Impact levels - 影響度

 The impact levels are not definitive either. For instance, some students may feel that conspiracy theories are just a bit of fun, while some of us reflect that the propagation of one recent conspiracy theory led to an actual incident of violence; Pizzagate.

We hope our infographic will prompt healthy discussion. 

教材で示している影響度も、決定的なものではありません。例えば、陰謀論はちょっとしたユーモアだと考える生徒がいるかもしれません。一方、「ピザゲート」事件のように、陰謀論が実際の事件に発展してしまった例を思い浮かべる人もいるでしょう。

この教材が健全な議論につながることを願います。

 

 

「ローカルジャーナリスト養成講座」をメディフェス@よなご内で開催しました

日本ジャーナリスト教育センター(JCEJ)は「ローカルジャーナリスト養成講座」を9月29日、鳥取県米子市で開催しました。5月に出版した『ローカルジャーナリストガイド』を使い、第1章の「ニュースの発見」をテーマにしたワークショップを行いました。

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講座は、メディア関係者や研究者、学生が2日間にわたってローカルメディアのこれからのあり方を議論した「メディフェス@よなご~第16回市民メディア全国交流集会~」のプログラム内で行われました。

受講者は、地元の鳥取のほか、神奈川、東京、愛知など各地のケーブルテレビ局やタウン誌に勤め、地域からの発信を実践している人が中心でした。

グループワークでは、自分の考える「地域ニュース」をテーマに議論。最初は「栗の収穫イベント」「地域の伝統芸能」「若者の就職率」などよくイメージされがちな地域ニュースが出ていましたが、盛りあがって話す中で、「私は人の『手』がすごく好きなんです」とこれまで意識していなかった自分の興味に気付いた人もいました。

最後の感想の共有では「自分自身の再発見ができた」「もっと自分のワクワクを大切に伝えていきたい」「多様な人の意見が聞けて楽しかった」といった声がありました。

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『ローカルジャーナリストガイド』は、ニュースの発見から取材、執筆、発信まで、地域から発信する際に必要な技術や心構えについて体系的に学ぶことができる1冊です。JCEJではガイドを使ったワークショップを各地で行っていく予定です。

 

 

「ローカルジャーナリスト養成講座」を9月29日メディフェス@よなご内で開催します

日本ジャーナリスト教育センター(JCEJ)は「ローカルジャーナリスト養成講座」を9月29日(土)13時から鳥取県米子市で開催します。地域から発信したい、発信しているけどもっと学びたいという方、ぜひご参加ください。一緒に楽しく学びましょう!

5月に出版した『ローカルジャーナリストガイド』を使った講座です。第1章の「ニュースの発見」をテーマにした入門編のワークショップを行います。参加者全員に『ローカルジャーナリストガイド』が付いています。

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講座は、「メディフェス@よなご~第16回市民メディア全国交流集会~」のプログラム内で行われます。

「メディフェス@よなご」は、鳥取県のケーブルテレビ局・中海テレビ放送が中心となった実行委員会が主催。全国からメディア関係者、研究者、学生などが集まり、ローカルメディアの役割やこれからのあり方を議論する2日間のイベントです。ワークショップは、2日目の分科会の2として行われます。また、JCEJ運営委員の田中が1日目のパネルディスカッションに登壇します。

「ローカルジャーナリスト養成講座」入門編ワークショップ

◆日時
9月29日(土)13時〜14時30分(メディフェス@よなご2日目分科会2)


◆会場
米子ワシントンホテルプラザ(鳥取県米子市明治町125)


◆講師
田中輝美:JCEJ運営委員。(株)MYTURN。山陰中央新報社の記者を経て、2014 年退社し、独立。地域に暮らしながら地域のニュースを外に発信するローカルジャーナリストとして活動している。

本宮理恵:(株)MYTURN。島根県安来市生まれ。大学卒業後、(株)リクルートを経て島根にUターン。NPO法人てごねっと石見の理事のほか、教育魅力化コーディネーターも務める。


◆定員
20人


◆参加費
5,000円(『ローカルジャーナリストガイド』付き、メディフェスへの参加費2,000円が必要です)
メディフェス@よなごの申し込みフォームから申し込み出来ます。定員に達した場合は、早く締め切ることもありますので、ご希望の方はできるだけ早くお申し込みください。


◆メディフェス@よなごのプログラムは以下のリンクからご覧ください
メディフェス@よなご〜第16回市民メディア全国交流集会〜