#JCEJ 活動日記

日本ジャーナリスト教育センター(Japan Center of Education for Journalists)の活動を紹介しています!

「好き」は一人ひとりに宿っている。「小さな主語」で社会を考えたい

「突き動かされるものがあることが大事」。

毎日新聞BuzzFeedを経て独立し、独自の記事で注目を集めるノンフィクションライター石戸諭さん(聞き手はNHK足立義則さん)は、仕事に向き合う中で情熱を傾けられるものは「一人ひとりに宿っている。あなたにだってあるはずです」と、「好き」をとことん追求することの大切さを語りました。

ベンチャー企業に転職して1ヶ月。新卒で入った大手旅行代理店とは、やることも求められる役割も異なります。新卒の時のように困ったらトレーナーさんがいつでも助けてくれる環境というよりは、自分で考え、聞いて、動くことが求められる日々。あれ、忙しいし、うまくいかないな…と無表情でパソコンだけを凝視する時間が増え、余裕はゼロ。でも石戸さんの「一人ひとりに宿っている」という言葉で、自分は何にテンションが上がる?自分にも何かあるのかも!?と少し振り返ることができ、焦らなくてもいいのかもと思える時間でした。

5月31日からスタートした日本ジャーナリスト教育センター(JCEJ)10周年記念リレートークイベント『ジャーナリスト図鑑をつくろう!』公開インタビューでは、大きくメディアが変化した10年の取り組みから、ジャーナリストの未来像を議論しています。毎日続いているこのイベントも、いよいよ最終週に入ります!3週目のトークの様子を紹介します。(JCEJ運営委員:沼能奈津子)

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「好き」を求めて37歳で独立

17日目に登場したドキュメンタリー監督・記者の岸田浩和さん(聞き手は朝日新聞記者・依光隆明さん)は、冒頭の石戸さんの言葉のように、自分が本当に好きなことを追求し、37歳・未経験で映像の世界に飛び込みました。会社員として働き10年が過ぎたころ、知人から「お前、しょーもななったなー」と言われたことがきっかけで、生き方を見つめ直したという岸田さん。「とりあえず、失敗してもゼロがゼロのままだから」の精神で、キャリアを切り開いた道のりについて語ってくれました。

地域に何を残し、発信するのか

14日目の元河北新報記者でローカルジャーナリストの寺島英弥さん(聞き手はアカデミック・リソース・ガイド・岡本 真さん)は、10年間東北の被災地と向き合ってきました。「目の前のことを語らないと永久に消えてしまう」と、自らの足で歩き、取材を続けています。地域に暮らし、発信し続けるのは「被災するとこうなる、だからこうならないように伝えていく」という「先輩被災地」の責任を果たしたい想いがあるからだと語りました。

15日目の足利経済新聞・山田雅俊さん(聞き手はDANRO編集長の亀松太郎さん)は、地元足利市で地域に何を残していくのかを考えながら情報を発信しています。「地域の情報発信の仕組みをどう残していくのか」。持続可能なメディア運営をするために、書くことへのハードルを下げ、誰もが記事を描けるようなテンプレートを作成するなどの工夫を伺いました。

「社会をよくしたい」を持って仕事に取り組む 

18日目のJCEJ運営委員で通信社エンジニアの赤倉優蔵(聞き手はJCEJ運営委員・井上直樹)は、これまでのJCEJの活動で記者・エンジニア・デザイナーなどが一緒に活動する”異種混合”の場を作り続けてきました。これからのエンジニア像について、テクノロジーだけでなく社会課題解決に興味を持ち「記者と一緒に動いていける人が増えてほしい」と話しました。

19日目に登場したデザインリサーチャー・清水淳子さん(聞き手はNPO事業などに携わる田村真菜さん)は、議論を可視化する「グラフィックレコーディング 」を日本で広めた第一人者でもあります。グラレコは日本でも注目されていますが、清水さんは、単に副業としてもてはやされたり、社会課題を解決するという視点が欠如したりしている場合もあると問題提起しました。単にきれいな絵を描くだけではなく「どういった情報をどう伝えるべきかを考えていきたい」と話しました。

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私自身、やりたいことを見つけなきゃと焦っていた時期もありますが、仕事や生きていく中で通じるお話をたくさん聞くことができました。まずは「好きなことってなんだったんだっけ?」と振り返ることから始めていいのかなと、と。また、社会をよくしたいとは思いつつ、「社会」という言葉が大きすぎて正直なところよく分からなかったです。でも、まずは自分がいる場所での困りごとや、もっと良くなったらいいかも!というものに気づき、それに対して自分がどう動けるのかを考えていくことから始めようと思えました。4週目も、会社や業種には関係なく、仕事や社会に向き合う話し手が登場します。


4週目月曜日(6/21)の話し手は、わたし沼能です。旅行会社でスタディツアー等に関り、現在は地域の食を扱うベンチャー企業で新事業の企画・運営などを行っています。最終週は、JCEJ運営委員のほか、6/24(木)にはフォトジャーナリストの安田菜津紀さんが登場します。

 

チケットは、下記のリンクから購入いただけます。是非ご参加ください!
【チケット】日本ジャーナリスト教育センター10周年記念「ジャーナリスト図鑑」プロジェクト | Peatix

※次世代を担う伝えてや社会を良くしたいと考えている方に聞いて頂きたいとU29(29歳以下)のチケットを用意しています!特に年齢確認などは求めませんのでご利用下さい。

※ 6/28まですべてのトークが視聴できます。書籍つきチケットは値段が異なるものでも内容は同じですが、書籍の作成費に充てる「応援チケット」として複数用意しています。よろしければご支援いただけると幸いです。

【第4週と第5週のリレートークとゲスト】第4週はJCEJ運営委員が中心です。
6/21(月)20:00〜:地域ベンチャー企業勤務、元旅行代理店・沼能 奈津子/藤代 裕之
6/22(火)20:00〜:弁護士ドットコムニュース編集長、元地方紙記者・新志 有裕/田中 輝美
6/23(水)20:00〜:NHK、元地方紙記者、元GoogleNewsLabフェロー・井上 直樹/新志 有裕
6/24(木)20:00〜:フォトジャーナリスト・安田 菜津紀さん/日本テレビ三日月 儀雄さん/赤倉 優蔵
6/25(金)20:00〜:テキサス大学オースティン校博士課程進学予定、元通信社記者・耳塚 佳代/沼能 奈津子
6/26(土)20:00〜:ローカルジャーナリスト、島根県立大学准教授、元地方紙記者・田中 輝美/耳塚 佳代
6/28(月)20:00〜:ジャーナリスト、法政大学教授、元NTTレゾナント・藤代 裕之/JCEJ運営