#JCEJ 活動日記

日本ジャーナリスト教育センター(Japan Center of Education for Journalists)の活動を紹介しています!

ローカルニュースを全国にどう伝えるか、考えたい 苅田デスクからジャーナリストキャンプ挑戦者へのメッセージ

日本ジャーナリスト教育センター(JCEJ)が4月29日から開催する「ジャーナリストキャンプ2016石巻」。全国から集まった記者が、第一線で活躍するデスク陣と共に熱い議論を交わし、学び合います。どんな挑戦者を求めているのか、震災から5年が経った宮城県石巻市で開催する意味をどう捉えているのか、デスクたちに聞きました。

インタビュー第五弾は、Yahoo!ニュース編集者の苅田伸宏さん。12年半新聞記者として東京本社・大阪本社の社会部などで取材した経験もあり、紙・ウェブ媒体両方の特性を把握されています。キャンプの魅力は、所属媒体や経歴を問わずに様々な人が一緒に学べるところ、と苅田さん。既存の枠組みにとらわれず、「ローカルの情報がどうすれば全国に伝わるかを考えたい」と話します。


▽掲載媒体の読者層を意識して

Q.2014年の高知キャンプでは参加者側でしたが、何を得られましたか?

デスクは社会学者の西田亮介さんでした。仮説を立てて、論理的にまとめていくところが勉強になりましたね。
キャンプでは『「自治体消滅」時代が来る 子育て満足度1%の「元・保育王国」で見えた再生のヒント』という記事を書きました。自分自身、既婚者で現在5歳の娘がいるのですが、保育関連は初めての取材。キャンプの取材・記事執筆をするうえでやってみたいと思ったのが「媒体特性に合わせて書く」ということです。

掲載先はハフィントンポストと決まっており、子育て世代をターゲットに少子化や育児関係のテーマを多く扱っている媒体なので、「その媒体の読者から求められているものを書く」ということをやってみたいと思いました。

Q.元々新聞社の記者でしたが、紙とウェブは違いますか?

新聞記者はどちらかと言うと、ターゲットを定めるというよりは社会的に重要だと判断したテーマについて書くのが中心なので、媒体の特性に合わせて求められているものを想定して書くという経験が自分にはありませんでした。無理に短くまとめるのではなく、必要なことを必要なボリュームで書いてみようと西田さんと話しました。硬くて長めの記事になりましたが、それでもシェア数が1000まで伸びたのは媒体特性に合ったテーマだったからではないかと思います。

Q.今回キャンプの掲載媒体になるYahoo!ニュースはどのような特性がありますか?

Yahoo!!ニューストピックスの編集方針で言えば、政治や経済、災害、大きな事件事故など社会的に知っておくべき「公共性」と、多くの人々が興味を持つスポーツやエンターテイメントなど「社会的関心」の二軸で考えています。公共性の高いニュースについては必ずしも読まれなくてもきちんと掲出するようにしています。


固定観念に捉われずに

Q.毎年、地方でキャンプを行うことにはどんな意味があると思われますか?

参加者の方に読んで欲しいのが、去年の浜松キャンプ後のシンポジウムでデスクがディスカッションされた内容です。その中で、デスクの依光隆明さんが2014年の高知キャンプのときを振り返って「東京目線で地方を見る」ということを言われていました。その土地の人が当たり前と思っている「空気のようなもの」を外の人間が見抜いて記事にすることで、地元の人にも新たな発見があるはずです。固定観念に捉われずに、今までにないような発信ができるようにサポートしていきたいと思います。

Q.参加者に一言お願いします。

何よりも前準備が大事です。現地にいる時間が短いですし、祝日や土日は役所が空いていません。可能なら1日早く前乗り取材をしたり、事前に下調べや電話取材をしておいたりすると、進めやすくなると思います。自分は報道の出身なので、新聞社の人と出会えることも楽しみにしていますが、JCEJの良いところは、紙媒体かウェブか、報道経験者か否かなどを問わず、伝えることに取り組む人が異種格闘技戦のように幅広く集うところだと思っています。どこの出身という概念にとらわれず、ローカルの情報がどうすれば全国に伝わるかを考えていきましょう。


「ジャーナリストキャンプ高知」参加時の苅田さん(左)と、担当デスクの社会学者・西田亮介さん

苅田伸宏プロフィール>
東京都出身。2001年毎日新聞社入社。盛岡支局、東京本社社会部、大阪本社社会部を経て、2013年に退職。その後ヤフーへ転職し現職はYahoo!ニュース編集者。


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