#JCEJ 活動日記

日本ジャーナリスト教育センター(Japan Center of Education for Journalists)の活動を紹介しています!

外の目で地域の「当たり前」を見直そう 苅田デスクからのメッセージ

日本ジャーナリスト教育センター(JCEJ)が1月から3月にかけて開催する『東北ローカルジャーナリストキャンプ』。第一線で活躍する講師陣のもと、地域のニュースを外に届けるスキルを学び、徹底的に議論する合宿を経てYahoo!ニュースへの掲載を目指します。どんな挑戦者を求めているか、東北からどんな発信を期待しているか、指導役を務めるデスク陣に伺いました。

第3弾は、Yahoo!ニュース編集者・苅田伸宏さん。前職の毎日新聞では岩手県での記者経験もあり、地域の人が当たり前だと思っていることを「外の目」で見直す大切さを感じたそうです。

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苅田伸宏(かりた・のぶひろ):東京都出身。2001年毎日新聞社入社。盛岡支局、東京本社社会部、大阪本社社会部を経て、2013年に退職。ヤフーへ転職し現在はYahoo!ニュース編集者。Twitter: @lovebeer_55

前職の初任地が岩手県で、5年間勤めました。右も左も分からないまま取材して歩いた東北は今でも非常に思い出深い土地です。東京から引っ越し、四国4県分と言われる広い県土を走り回って悪戦苦闘をしたことを昨日のことのように思い出します。


主に県版向けに原稿を書きながら「いかにしてローカルのニュースを全国に届けるか」を考えていました。観光地や郷土の偉人など全国区の知名度に絡んだ新たな出来事はないか、全国の人から関心を持ってもらえるような魅力的な人物や取り組みはないかなど、ニュースバリューのある記事を書くために知恵を絞りました。取材力も筆力も甘く、なかなかうまくいきませんでしたが、往々にして土地の人が当たり前に思っていることの価値を「外の目」で見直すことの大事さを学びました。


12年半育ててもらった前職を離れ「取材して記事を書く側」から「コンテンツを届ける側」に移って丸3年が過ぎました。自分が岩手にいた01~05年当時の「全国に届ける」は「紙面の全国版に載せる」というやり方が中心でしたが、ネットやSNSの普及でローカルニュースを発信する可能性は大きく広がっています。自分は転職して半年後に参加した高知のキャンプで初めてウェブ媒体向けに原稿を書きました。ボリュームを気にせず必要と思うだけ書き、データに基づく効果測定をできるウェブならではの経験がとても新鮮でした。課題意識を持ってキャンプに参加することできっと気づきのある場になると思います。


ジャーナリストキャンプの良いところは、紙かウェブか、報道経験者か否かを問わず、伝えることに取り組む人が異種格闘技戦のように集うところだと思います。皆さんと議論できるのを楽しみにしています。

 

キャンプの詳細は、以下の記事もご覧ください。

     キャンプの参加募集は終了しました。

 

本プログラムは、復興庁の「新しい東北 情報発信事業」に選定された「ローカルジャーナリスト育成講座」の一環で、Yahoo!ニュースの協力を得て行われています。地域に暮らしながら、外に情報を発信できる「ローカルジャーナリスト」の育成を通じて、東北の新しい魅力を全国に届け、ヒトやモノを動かす循環を作り出すことを目的としています。11月には、東北6県で「地域の外とつながる情報発信術」を学ぶ1日の講座を開催、延べ100人以上が参加しました。