日本ジャーナリスト教育センター(JCEJ)は6月6日、ジャーナリストキャンプ2015浜松の開催に向けて、参加者向けの事前打ち合わせを開催しました。
ジャーナリストキャンプは、全国から集まった参加者と、経験豊富なデスク陣が、立場や組織を超えて、議論を重ねながら作品を完成させる取り組みです。今年の開催地は静岡県浜松市で、6月19日から3日間、参加者は現地で取材と議論を行います。
事前打ち合わせには、参加者の中から10名が参加し、亀松太郎デスクと前回参加者の工藤郁子さんをゲストに迎えて、本番に向けてどんなテーマにするか、どう準備を進めればいいのかということについて意見交換しました。
工藤さんからは、前回参加の経験を通じて、7点のアドバイスがありました。
(1)芯のあるテーマを選ぶ
(2)仮説を立てて検証する
(3)時間を有効に使う
(4)ファクトにこだわる
(5)デスクを使い倒す
(6)公開後はソーシャルメディアの反応を見る
(7)楽しむ
参加者同士の議論では、各自が考えてきた具体的なテーマについて、見出し案や記事のポイント、取材先について考えました。在日ブラジル人の問題など、浜松ならではのテーマも出ていました。
最後に各自が企画を発表し、亀松デスクが「ネットに載せる記事の見出しではなく、論文のタイトルみたい」「この記事には動画もあるといい」などとアドバイスしていました。
亀松デスクは、「とにかく現地では時間がないので、事前の準備をしておきましょう」と短期決戦の心構えを説き、事前打ち合わせ終了後の懇親会から参加した依光隆明デスクは、「ジャーナリストキャンプは地獄だ」と連日の深夜まで続く議論や、取材の大変さを強調していました。
参加者からは、「もっと企画を練り直したい」と危機感を抱く声があった一方で、「今までやったことのない取材に挑戦できるのが楽しみ」といった期待の声もありました。
工藤さんのアドバイスの中にもあった「楽しむ」ということ。取材先やキャンプを通じて得られた仲間たちとの交流は、普段では得難いものがあります。ジャーナリズムキャンプは地獄かもしれませんが、ちょっと見方を変えれば、大きな楽しみが待っているようにも感じました。(運営委員・新志有裕)