日本ジャーナリスト教育センター(JCEJ)は、6月19日(金)から2泊3日の日程で「ジャーナリストキャンプ2015浜松」を開催します。
ジャーナリストキャンプは、全国から集まった参加者とデスクが、異なる立場や組織の枠組みを越えて、意見をぶつけ合いながら、一つの作品を完成させる取り組みです。
本プログラムの対象者は、新聞社やWeb媒体の記者や編集者、テレビ局のディレクター、フリーランスのライター、企業の広報担当者などはもちろん、NPO関係者や大学の研究者やエンジニアなど多種多様。デスクを担当するのは、最前線で活躍中のジャーナリストや研究者です。
これまで、日本各地で過去4回開催されているジャーナリストキャンプ。昨年は高知県で開催され、自由をテーマとして書かれた「設計図は雲の上 高知の九龍城『沢田マンション』」や、取材者自らが動物管理センターで殺処分のスイッチを押した「誰も猫を殺処分したくはない―命の現場が抱える葛藤と現実―」が、大きな反響を呼びました。
また、一昨年には福島県で開催され、原発事故時の知的障碍者の実情をレポートした「原発事故と知的障害者――終わりなき流転の物語」、福島県の風評被害をデータで示した「データジャーナリズムで検証する フクシマの風評被害の虚実」が注目を集めました。
これらの参加者に共通するのは、ジャーナリストキャンプと言う場で「新しい表現」をしたいという強い思い。自分自身が得意とする取材方法に固執するのではなく、「どうすれば伝わるか」を考え抜くことで、自らの殻を破った作品を生み出しています。
しかし、それが出来なければ凡庸な作品になってしまうことも事実。固定観念にとらわれず、上記の取り組み以上に野心的な作品を発表したい参加者を募集します。
今年は、静岡県浜松市で開催します。同市で活躍する「NPO はままつ子育てネットワークぴっぴ」の協力で実現しました。
取材テーマは「家族」。紋切り型で月並みな表現は必要ありません。どこかで見たことのある企画では、ジャーナリストキャンプに参加する意味がありません。そこにどう挑戦するか、参加者の力が試されます。伝統と多様性が同居した地方都市・浜松は、自らの殻を破って取材ができる格好の舞台となるでしょう。
デスクには、社会学者の開沼博さん、弁護士ドットコム編集長の亀松太郎さん、フリージャーナリストの藤井誠二さん、ローカルジャーナリストの田中輝美さんが参加します。今後、さらにデスクが加わる予定となっております。
掲載媒体は、「THE PAGE」。数多くのニュースサイトにも配信されており、ニュース性の高い記事はYahoo!ニュースに掲載される可能性もあります。
本日から、参加の受け付けを開始します。参加費に関しては、5月17日までに申し込まれた方には、お得な早割が適用されますので、是非お早目のご応募をお待ちしています。
<日時、会場など>
日時:2015年6月19日(金)〜6月21日(日)
主会場:万年橋パークビル8F(浜松駅から徒歩9分)
募集定員:15人程度(原則キャリア3年以上の実務経験者。既存マスメディアの記者に限らず、フリーランス、ブロガー、NPOや企業の広報担当等で情報を発信されている方なども含みます)
参加費:3万5千円(宿泊、食事別)。5月17日まで申し込んだ場合は、早割で3万円。
※静岡県在住者は3万円となります
募集期限:5月31日23時59分 締め切り
<スケジュール予定>
6月6日(土)キャンプ事前レクチャー&参加者懇親会【13時30分〜16時30分/浜町区民館(東京都中央区)/終了後に懇親会を予定しております】
6月19日(金)取材、企画発表
6月20日(土)取材、企画発表
6月21日(日)取材、企画発表、各自解散
7月4日(土)記事のブラッシュアップ・ワークショップ
<デスク>
藤井 誠二(ふじい・せいじ)
ノンフィクションライター。1965年生まれ、愛知県出身。著書に『殺された側の論理 犯罪被害者遺族が望む「罰」と「権利」』、『体罰はなぜなくならないのか』など著書、共著書多数。テレビのニュース情報番組のコメンテーターやリポーターのほか、ラジオ番組のパーソナリティーも務めてきた。また、愛知淑徳大学非常勤講師として「ノンフィクション論」や「取材学」等を教えている。
亀松 太郎(かめまつ・たろう)
ジャーナリスト、弁護士ドットコムニュース編集長。1970年、静岡県生まれ。東京大学法学部卒。朝日新聞記者として3年勤務した後、J-CASTニュースなどを経て、2010年に株式会社ドワンゴ入社。ニコニコニュース編集長として、ニュースサイトの運営と報道・言論番組の制作を統括した。2013年から法律相談ポータルサイト「弁護士ドットコム」でニュース編集に携わる。2014年から早稲田大学大学院ジャーナリズムコースの非常勤講師を務める。
田中輝美(たなか・てるみ)
ローカルジャーナリスト。1976年、島根県浜田市生まれ。山陰中央新報社で報道記者として、政治、医療、教育、地域づくり、定住など幅広い分野を担当した。琉球新報社との合同企画「環(めぐ)りの海 竹島と尖閣」で2013年日本新聞協会賞受賞。日本ジャーナリスト教育センター(JCEJ)の運営委員も務める。2014年秋、同社を退職、島根に暮らしながら、島根を記録、発信している。共著に「未来を変えた島の学校—隠岐島前発ふるさと再興への挑戦」(岩波書店)。
開沼 博(かいぬま・ひろし)
福島大学特任研究員。1984年生まれ、福島県出身。東京大学大学院学際情報学府修士課程修了後、同博士課程在籍。復興庁東日本大震災生活復興プロジェクト委員。著書「『フクシマ』論 原子力ムラはなぜ生まれたのか」が2011年、毎日出版文化賞を受賞。その他著書に『はじめての福島学』『漂白される社会』『フクシマの正義 「日本の変わらなさ」との闘い』など。
依光 隆明(よりみつ・たかあき)
朝日新聞be編集部記者。1957年生まれ、高知市出身。高知新聞で社会部長などを経て、2008年12月朝日新聞に入社。特別報道部長、編集委員を歴任。12年新聞協会賞を受賞した「プロメテウスの罠」取材班の初代キャップ。同賞受賞は、高知新聞時代に県庁の不正融資を暴いた「県闇融資報道」に続いて2回目。
※依光デスクの参加が決定しました!!
<注意事項>
記事の執筆は合宿後に行います。メールやソーシャルメディアを利用した事前の情報共有などを予定。また、合宿中は深夜まで議論が行われます。宿泊は、浜松駅周辺で、各自確保していただく形式となります。ご注意ください。
<参加募集ページはこちら>
http://jcej.info/jc2015/
<問い合わせ先>
jcejinfo[at]gmail.com(担当:菅原)