#JCEJ 活動日記

日本ジャーナリスト教育センター(Japan Center of Education for Journalists)の活動を紹介しています!

「意見」ではなく「ファクト」で東北発信を 『東北ローカルジャーナリストキャンプ』がスタート

日本ジャーナリスト教育センター(JCEJ)は1月7日(土)と8日(日)、仙台市で『東北ローカルジャーナリストキャンプ』のキックオフ・ミーティングを開催しました。参加者は約3ヶ月かけて情報発信を学びながら、3月の原稿完成を目指します。

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初日は講師役のデスク4人が、取材の心構えや地域との向き合い方について講義。普段は記者、復興支援員、地域おこし隊や図書館司書など、さまざまな形で情報発信に携わる参加者らが真剣に聞き入りました。

「ジャーナリズムへの扉を開ける」をテーマに話した依光隆明さん(朝日新聞記者)は「ジャーナリズムは、お金をもらって書くマーケティングとは違う。本当のことを読み手に伝えるのが大切」と参加者に伝えました。

依光さんは「自分の考え(論)」と「事実」を分けて書くことの重要性を強調。①直接見聞きしたこと②事実だと裏付けられること③人が話したことは「ファクト」として記事を構築する材料になるとし、「ファクトがあいまいだと、その上にいくらりっぱな論を構築しても揺らいでしまう」と話しました。f:id:jcej:20170107115426j:plain

福島県いわき市出身の社会学者・開沼博デスク(立命館大学准教授)は「地域との向き合い方」をテーマに講義。東北からの地域発信の現状についても語りました。

開沼さんは、どのメディアも同じ対象(人)にばかりフィーチャーしがちで「東北の話題があまり読まれなくなっている」と説明。切り口も、行政・メディア批判などに偏っていると問題提起し、「Opinion(意見)とJustice(正義)を避け、Fact(事実)とFairness(公平性)を見るべきだ」と話しました。

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市役所の広報をしている参加者の女性は「普段の対象は市内の人たちで、どちらかというとマーケティングやPRのために記事を書いている。市としても外に発信したい想いがあるので、勉強していきたい」と話していました。

今回の取材テーマは東北の「人」。優れた作品はYahoo!ニュースに掲載される予定です。

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本プログラムは、復興庁の「新しい東北 情報発信事業」に選定された「ローカルジャーナリスト育成講座」の一環です。Yahoo!ニュースの協力を得て行われています。地域に暮らしながら、外に情報を発信できる「ローカルジャーナリスト」の育成を通じて、東北の新しい魅力を全国に届け、ヒトやモノを動かす循環を作り出すことを目的としています。