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#JCEJ 活動日記

日本ジャーナリスト教育センター(JCEJ)の活動を紹介しています!

地方から、脱「ありきたり」の情報発信を 津田大介さんに学ぶ多メディア時代の伝え方

ジャーナリストキャンプ

「ありきたり」では地方は伝わらないー。宮城県石巻市で開催されている「ジャーナリストキャンプ2016石巻」を前に、ジャーナリスト・津田大介さんがヤフー石巻復興ベースで講演しました。津田さんは、情報の流れやメディア環境が大きく変わる中、特に地方の話題はよほど面白くなければ多くの人に届けることは難しいと指摘。「気付きを与える」情報発信が必要だと語りかけました。震災から5年が経った被災地の今を伝えるヒントはどこにあるのか。参加者らは熱心に聞き入りました。

無関心を打破できるか

「発信はフィルターでもある」。
津田さんは、良い情報をうまく要約して、分かりやすく発信する"フィルター"になれるのが良い情報発信者であり、何を一番伝えたいのか、突き詰めて考えることが重要だと話しました。その上で「無関心を打破することがジャーナリズムの役割の一つだ」という津田さんは、「マスメディアの配信する情報は偏っていて、構造的な問題がある。ありきたりでない情報が集まりがちな、有名人や大都市についての情報を報道したがる傾向にある」と話しました。

ジャーナリストキャンプでは、これまでも地方からの情報発信を大きなテーマの一つとしてきました。特に被災地の報道をめぐっては、風化が進む中でさらに報道が減ることも懸念されています。今回の参加者は、どうすれば新たな視点で石巻を伝えられるか、真剣に向き合う必要があります。

3つのキーワード
「ありきたりなものばかり取り上げていてはだめです。なぜ地方の情報が全国に報道されないのかというと、東京にとって石巻の情報が重要ではないからです。全国を対象にするメディアでは、よほど"ありきたり"でない必要がある。全国、全世界で発信したいならが、意識しておくべきです。こんなに変わった面白いことがあるんだ、という気付きを与えてほしい」とアドバイスしました。

インターネットで話題になる記事を書くためには、共感(Feeling)、リアルタイム性(Timing)、新規性(Happening)の3要素が重要だと津田さん。様々なメディアが台頭する中、各媒体の特性を生かした情報発信が必要だ、と話しました。「新規性は特に重要で、ネットでは新しいことが注目されやすい。ネットはメディアでもあり、コミュニケーションツールでもあります。人間関係を反映し可視化したものなんです」
一方で、新しいメディアでは事実確認がおろそかになりがちだとも話し、「好き嫌いでなく、客観的な視点で情報発信を」と呼びかけました。

ジャーナリストの仕事はなくなる!?

ロボットが記事を書き、人工知能が書いた小説が賞を取る時代。講義は、激しく環境が変化する中でジャーナリストはどう生き残るか?というテーマにも及びます。
津田さんは、ネットの台頭で情報の流れに変化が生まれ「メディアの激変」が起きる中、新しいテクノロジーを学んで取り入れていくことが必要だと話します。
「変化の激しい時代だからこそ、企業は変わり続けなければならない。ジャーナリストは知るだけではなく、知ったものに対して知識を活用していく。自分がまずやってみないと、勘所がつかめない。環境が変わったことで、あらゆる個人や企業がメディアになることができました。"世論"と"輿論"を峻別し、輿論に貢献していくという意識を持ちましょう」と参加者に伝え、講演を締めくくりました。