この夏「大槌みらい新聞」を立ち上げた学生インターンの感想2日目は津田塾大学の三上真歩さんです。三上さんは第一陣として活動拠点の「NewsLab♡おおつち」立ち上げ時から大槌町で活動してくれました。
「被災地でメディアを創るプロジェクト インターンを募集」の告知はFacebookで偶然見かけた。就活を控え、夏休みのインターン先を探していた私は、「被災地、メディア、インターン」のワードに惹かれ、内容も大槌という町もよくわからないまま即座に申し込みボタンを押したのだった。
私はインターン第一期のメンバーとして、7月29日の早朝から1週間大槌に滞在した。「NewsLab♡おおつち」の拠点としてお世話になった、きらりベース3年1組の教室には当初は何もなく、私たちの最初の仕事が拠点を「ラボっぽく」することだったことはもはや懐かしい。第一期メンバーの主な仕事は、大槌の町の人たち100人以上にメディアに関するアンケートを取ることだった。このアンケートの結果によって、大槌への情報媒体をどうするか、どういった情報を伝えるかなどが決まってくるので重要な役割だった。
しかしこれが非常に大変な仕事だった。なんといっても移動。車はないので、学生は商店街で借りた自転車に跨って、縦横無尽に大槌の仮設住宅という仮設住宅を駆け回った。真夏の大槌はものすごく熱く、山道が多いため、体力勝負だった。へこたれてノルマをこなさずにラボに戻ると後が怖いので、とにかく量をこなそうと頑張った。また私は緊張しいなので、なかなかスムーズに人に話しかけられず、お宅をノックするのに3分くらい迷ったこともあった。(後に慣れたが)
日中はアンケートを収集し、日が暮れたらラボで集計作業という流れ。夜の大槌は暗く、その上ラボには電気スタンド一本しかないため、真っ暗闇の中、夜中の3時まで5人で黙々と作業をするという異様な光景が繰り広げられていた。お風呂は遠いので、さらさらシートで体を拭いた。とにかく日常生活とはかけ離れた生活をしたものであるが1週間ですっかり慣れてしまった。
アンケート結果から、私の滞在最終日に、紙で大槌に情報を届けることを決定した。ネットが浸透しておらず、できるだけ全員に情報を伝えるには新聞が一番だと考えたからである。住民の意見を取り入れた「町民カレンダー」のアイデアもここで誕生。自分たちがこの1週間やってきたことが形になって、達成感にあふれ、これで大槌の人たちに情報が届けられると思うとうれしくてしょうがなかった。これからという時に最終日を迎えたので心苦しかったが、これからも関東からサポートしていこうと思った。
「情報は伝わらなければ意味がない」このインターンで一番心に残った言葉である。情報を発信する側になって情報を発信することの難しさを知った。ただ情報を流すだけでは大槌町民一人一人に届かない。大変なことだが、発信者は、伝わる情報を伝わるように発信していくべきであり、それは責任であると強く感じた。伝わってはじめて、情報がなく不安を感じている町の人々に安心を届けることができるのだ。情報発信を根本から考え行動したからこそ分かったことだと思う。
また大槌の方々の温かさをたくさん感じた。突然の訪問とアンケートにも快く応じていただき、たくさん情報提供してくださった。汗だくでフラフラな私にジュースやお昼ご飯を下さったり、温かい言葉をかけてくださったりと大変にお世話になった。大槌の皆さんの協力と期待に応えるためにも頑張ろうと思えたのである。
インターンは終わってしまったが、すっかり大好きになった大槌へこれからもサポートを続けたいと思う。
(津田塾大学・三上 真歩)
また、三上さんは朝日新聞のソシテワスレズ@キャンパスに「大槌みらい新聞」立ち上げの様子や現場で感じたことを紹介してくれています。記事はこちらです。
【学生インターンの感想】
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