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データジャーナリズム初心者体験コースで感じた可能性「データジャーナリズム実践:Googleを使って社会を読み解く」感想レポート

4月14日に萩原雅之さん(トランスコスモス株式会社理事、マーケティングリサーチャー)を講師にお招きして行ったワークショップ「データジャーナリズム実践:Googleを使って社会を読み解く」感想レポート第二弾を参加者の祝前伸光さんに書いて頂きました。

私がデータジャーナリズムという言葉を最初に見たのは、佐々木俊尚さんの「マスメディアとネットはどう補完しあえるのか(後編)」と題されたメルマガでした(2010年10月)。
英ガーディアン紙のブログエントリー「How to be a data journalist」を糸口にしてデータジャーナリズムが紹介され、誰でもアクセス可能なオープンなデータを使ってネット発の様々な分析や可視化が行われるようになるだろう、と締めくくられており、ネットとジャーナリズムの新しい関係の可能性を感じました。

最近も「ジャーナリズム」2012年3月号に掲載された小林啓倫さんの「ネットの力を取り込んで英米で始まる新たな調査報道」や同じく4月号に掲載された松波功さんの「メディアに求められるデータを可視化する発想と能力」などのデータジャーナリズムに関する記事を読んでますます興味を持っていたところなので、私にとって今回のワークショップの開催は絶妙なタイミングで、迷わず参加を決めました。

今回のワークショップは、2時間余りのいわば「データジャーナリズム初心者体験コース」。
元になるデータはグーグルのサービス内で利用可能なもの(グーグルの検索クエリーのデータや、世界銀行が公開している世界開発指標)だけ、分析や可視化のためのツールもグーグルのサービスがメニューとして提供している範囲内で、というものでしたが、私のような初心者にとっては、むしろ十分すぎる量と機能であり、グーグルのサービスのUIが直感的にわかりやすいこともあって、面白い体験ができました。
仮説がデータを元に可視化されるとどうなるのかを自分でやってみるだけでなく、他の人の発想を間近で見たり聞いたりすることもでき、データジャーナリズムの可能性を感じるには十分な体験コースでした。

実際のデータジャーナリズムにおいては、仮説を検証するためのデータを探したり、そのデータの信ぴょう性を判断する必要はあると思います。
また、最適な分析手法や可視化の手法はどれかを検討したり、それらが手軽なツールとして提供されていない場合にはプログラミングをしたり(してくれる人を探したり)しなければならず、ジャーナリストとしての幅広い知識や経験はもちろんのこと、データの扱いに対する深い理解が求められ、そのための訓練も別に必要でしょう。
それでも、無料のウェブサービスでここまででき、さらに公開データも今後充実してくると、実際のニュースにも使われるようになる日も遠くないのではないかと思いました。

これまでもインターネットは、パソコンやスマートフォンを使っていつでもどこでもニュースにアクセスでき、検索サービスで必要なニュースを探すことができ、ソーシャルメディアで共有したり他の人の反応を知ったりできる、といった形で、主にニュースの読み方の課題解決をしてきました。
データジャーナリズムが、インターネット以前だと考えられなかった量と質のデータを元に、大規模なデータ処理の技術を最大限活用して、従来の手法だけでは見えなかった事柄を可視化することによってニュースとしての価値を生み出すものだとするなら、その意味において、インターネットをはじめとするテクノロジーによる、ニュースの作り方の有力な課題解決手段の一つになりえるのではないか、などと考えましたがどうでしょうか。
(報告:祝前 伸光)

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