ソーシャルメディア上の誤情報に惑わされないためにはどうすればいい?
日本ジャーナリスト教育センター(JCEJ)運営委員の耳塚佳代が、4月29日に栃木県足利市、5月13日に長野県松本市でメディアリテラシー講座を開催しました。Readyforのクラウドファンディング「ネットを信頼できる場所に。フェイクニュース調査プロジェクト」にご支援いただいた方々へのお礼として実施し、2会場で計19人が参加してくださいました!
善意のつもりでも......
足利市の講座参加者は、主にライターとして地域の情報を取材・発信している方たち。講座ではまず「フェイクニュース」問題をめぐる海外の動向を解説。日本国内でも、大手IT企業ディー・エヌ・エー(DeNA)が運営するサイトで根拠があいまいな医療情報などが掲載されていた問題や、事件や事故、災害時に拡散するデマなど、ソーシャルメディア上には間違った情報もあふれているという現状について学びました。
また、「フェイクニュース」と一言で言っても、記事や写真、だます目的で作られた偽サイトやなりすましアカウントなど、さまざまな形態が存在します。これを踏まえて、ソーシャルメディアの情報をシェアする前には、筆者名や連絡先、ページのアドレス、写真の撮影日時、引用されているソースは信頼できそうかーーなど、最低限確認すべき点についても確認しました。
特に災害時などは、間違った情報が人々の行動を左右してしまう場合もあります。参加者の一人は「善意のつもりでも、気軽にシェアすれば影響を与えてしまうことを意識できた。情報発信者としても、気をつけていきたい」と話していました。
なぜシェアしてしまうの?ワークで学ぶ
松本市の講座には、主に子育て世代や、教育に携わる方が参加。インターネットの記事を例に「事実」と「意見」を見分けるワークを通じて、情報との向き合い方を議論しました。一見すると「客観的な事実」のようでも、筆者の憶測や感想が混じった文章もあり、参加者の意見が分かれる場面もありました。
また、広く拡散される誤情報は、不安、驚き、怒りや好奇心といった感情を強く揺さぶるものが多い傾向にあります。実際にツイッターに投稿された偽コンテンツを用いて、「どんな感情を揺さぶる目的で作られているか」「どんな気持ちでシェアしてしまうのか」を議論するワークも行いました。
普段から、特に健康・子育てに関する情報との向き合い方に戸惑っていたという方も多く、「情報をどんな視点で見れば良いのか学べた」という感想もいただきました。
クラウドファンディングを通じて、講座開催の機会をいただけたことに感謝しています。今後、リテラシー講座の内容はさらにブラッシュアップしていきたいと思います。ご参加いただいた皆様、本当にありがとうございました!
JCEJは、クラウドファンディングのご支援で「フェイクニュース調査のためのフィールドガイド」日本語版を発行しました。無料ダウンロードが可能です。詳しくは下記ブログ記事をご覧ください。