#JCEJ 活動日記

日本ジャーナリスト教育センター(Japan Center of Education for Journalists)の活動を紹介しています!

「被災地にメディアを創る」情報発信による被災地復興支援プロジェクトの説明会を行いました

日本ジャーナリスト教育センター(JCEJ)は7月6日(金)、岩手県大槌町で行う「情報発信による被災地復興支援プロジェクト」の学生インターン/ボランティアの説明会を早稲田大学で行いました。予定していた枠を大きく超える応募があり、インターネット上での募集開始から2日間で募集を終了することになりました。説明会への出席、ソーシャルメディア上での募集情報の拡散へのご協力ありがとうございました。また、参加を検討されていた方は、大変申し訳ありません。キャンセルが出た場合に追加募集の可能性もあります。その場合はJCEJのTwitterアカウント(@jcejinfo)でお知らせします。

説明会には20名の参加がありました。詳細について代表運営委員の藤代が説明を行いました。

■情報がないと支援も人も来ない
大槌町は大きな津波被害を受けたが、町長を始め町幹部が亡くなったことや、地理的な条件で、現状があまり知られていない。石巻陸前高田に比べ支援の手が届いていない。震災後1年経った現在も何もない状態。それを見て、伝えて欲しいと思う」

「地域紙である『岩手東海新聞』があったが、震災による経営悪化のため廃刊となっている。記者たちは現在、隣接している釜石市で『復興釜石新聞』の取り組みに関わっているが、これは市の広報誌で、大槌は含まれておらず、地域メディアがなくなってしまっている。大槌を伝えるメディアとしては朝日新聞の支局が大槌にあるが十分ではない(会場に知っていると挙手した人はゼロ)。全国紙の視点と地方紙の視点は異なっている。地域には多様なメディアが必要」と大槌町を選んだ理由や意義を述べました。

■なんでもやるメディアを創る
「新しく創るメディアの目的は、大槌の情報を全国に発信していくこと。紙かソーシャルかといった、メディアありきではなく、あらゆるメディアを使う事を視野に入れている。いまどのメディアを使うとは言えない。FacebookTwitterといったソーシャルメディアの登場で、誰もが情報発信できる時代になっている。特定の媒体へ記事を書いていれば良かった時代は終わり、様々なメディアを駆使する必要がある。しかしながら、新聞やテレビの場合、どうしても今使っているメディアありきになってしまう。このプロジェクトは、伝える情報やターゲットによってメディアを選択するという、これまでにないやり方をする。未来の地域メディアを地域の人たちと一緒に大槌で作ってみたい」などと話しました。

最後に藤代から「どんなちっぽけなアイディアでもいいから、自分で考え、失敗を恐れず思い切ってチャレンジして欲しい。ぜひ仲間になってもらって、大槌でチャレンジしましょう」とメッセージがありました。

この後、学生運営委員の木村から学生インターンとボランティア募集の概要や、受け入れの枠組みなどについて説明を行いました。学生は、情報発信拠点の運営や、発信者育成のワークショップのサポート、ソーシャルメディアなどを使った取材や情報発信などを行っていく予定です。

その後は質問などを受け付け、質問には以下のようなものがありました。

・アウトプットの形はどうするのか。紙かネットか
—(藤代)紙もネットもやる事になると思うが、説明でも話したようにどのメディアを使い、どんな発信をするかはここでは決められない。被災地の高齢者にはインターネットをしていない人もいるので、大槌の人に読んでもらうためには紙で配る必要があるかもしれない。ただ、印刷にはコストがかかるので、どうやったらよりローコストでかつ効果があるのかも一緒に考えて行きたい。

・地域の人のための情報を発信するメディアと全国的に注目されるメディアのどちらを目指すのか
—(藤代)どちらも。全国に注目されないと情報は伝わらない。支援も入らず地域が衰退していく。ただし、単に注目を集めるだけではなく地域に根ざした形で全国や世界と繋がっていくことを目指したい。全国メディアは東京視点、地方メディアは地方の中だけで情報をまわしてきた。どうやって地域と全国を繋いでいくのかというのは今回の大きなテーマ。新しい地域メディアのモデルをつくっていきたい。

一緒にプロジェクトを取り組んでいく、熱意を持った学生がたくさん集まりました。プロジェクトの開始がとても楽しみです。開始に向けて、準備を頑張っていきます。プロジェクトでは、地域住民や学生だけでなく、全国の記者、編集者、カメラマンの受け入れも予定しています。
(学生運営委員・木村 愛)

【関連】
<説明会のツイートまとめ>

<代表運営委員のブログ>