3月3日に開催される「ジャーナリスト・エデュケーション・フォーラム」の午後のセッション「データジャーナリズム」の登壇者4人が決定しました。
クラウドコンピューティングに通じた楽天技術研究所長の森正哉さんと、元ネットレイティングス社長でマーケティングリサーチの専門家である萩原雅之さん、科学技術とジャーナリズムについて研究している早稲田大学准教授の田中幹人さん、オープンソースに詳しい八田真行さんの4人です。大量のデータがあふれている社会において、これらを解析して、新たらしい情報発信につなげる「データジャーナリズム」について、講演とワークショップを行っていただきます。
これまでのジャーナリストは、「足で稼ぐ、人に話を聞く」という点が重視され、データ分析については、スキルを取得して、実践する場があまりありませんでしたが、情報通信技術を駆使して大量のデータを解析、可視化する新しい流れが海外を中心に生まれつつあります。日本でも東日本大震災を機にデータ解析が注目を浴びつつあります。
今回のセッションでは、いわゆる従来型の「ジャーナリスト」ではない4人の専門家から、技術をベースとした全く新しい情報発信のスタイルを学べるのが特色になっています。テーマや講演者のプロフィール、概要は以下の通りです。ぜひご参加ください。
1.「変化するウェブ、変化する我々自身」
講師:森正弥氏(楽天株式会社 執行役員 兼 楽天技術研究所長)
プロフィール:情報処理学会、電子情報通信学会各会員。Rubyアソシエーション評議員。経済産業省次世代高度IT人材モデルキャリア検討委員。著作に「クラウド大全」(日経BP社、共著)、「ウェブ大変化 パワーシフトの始まり」(近代セールス社)。
Twitter:@emasha
<概要>ウェブは私たちの価値観や生活様式を大きく変えます。アンビエント、ビッグデータやソーシャル、スマートなどのキーワードを挙げながら、ウェブの進化の方向性と私たち自身の変化を考察します。2.「データ・ジャーナリズムの現在と未来:海外事例から学べること」
講師:八田真行氏(駿河台大学経済学部専任講師)
プロフィール:1979年生。東京大学経済学部卒、同大学院経済学研究科博士課程単位取得退学。(財)知的財産研究所特別研究員を経て、現在駿河台大学経済学部専任講師。専攻は経営組織論、経営情報論、ハックティヴィズム。国際大学GLOCOM客員研究員、インターネットユーザー協会(MIAU)幹事会員。
Twitter:@mhatta
<概要>データジャーナリズムは近年急速に開花しつつありますが、日本ではかなり遅れているのが実情です。データジャーナリズムの概要と、海外における代表的事例を紹介します。また、データジャーナリストの育成の動向も説明します。海外のサイトを活用したワークショップも行います。
(可能であれば、ネット接続できるPC、スマートフォン等を持参してください)3.「マーケティングリサーチの最新手法をジャーナリズムに活かす」
講師:萩原雅之氏(トランスコスモス株式会社理事 エグゼクティブリサーチャー)
プロフィール: 1984 年東京大学教育学部卒。日経リサーチなどを経て99 年から10年間ネットレイティングス社長、2009年より現職。マクロミルネットリサーチ総合研究所所長兼任。日本世論調査協会会員。著書に『次世代マーケティングリサーチ』。
Twitter:@m_hagihara
<概要>デジタルテクノロジーとソーシャルメディアを活用した消費者理解の手法から、ジャーナリストにとっても役に立つデータ収集・分析の技術を事例とともに紹介します。4.「コンピュータ援用報道(C.A.R.)の理論と実践」
講師:田中幹人氏(早稲田大学ジャーナリズム・コース准教授)
プロフィール:国際基督教大学卒、東京大学大学院博士課程修了(学術博士)。国立研究所ポスドク等を経て現在は早稲田大学院ジャーナリズムコース准教授。科学技術/ジャーナリズム/ウェブの問題に関して研究教育を行うと同時に(社)サイエンス・メディア・センターの運営に取り組んでいる。
Twitter:@J_Steman
<概要>コンピュータやインターネットを情報収集、分析、管理などに活かす「コンピュータ援用報道(C.A.R.)」。海外のジャーナリズム教育機関では必須プログラムになっており、ガーディアンやCNN、プロパブリカなどの先進的なメディアでも取り入れられていますが、日本ではその研究も実践も大きく立ち後れています。C.A.Rの考え方と実践の基礎を解説します。
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(JCEJサポートメンバー・新志有裕)