日本ジャーナリスト教育センター(JCEJ)が地域の拠点として運営する島根県浜田市金城町美又の「美又共存同栄ハウス」。今回は「農協さん」(旧美又信用購買販売組合)からどのように修繕・改修が行われたのか、その変化を写真でお伝えしたいと思います。
まず外観ですが、地域に愛されて大切にされていた風景を大きく変えることがないように注意しながら進めました。アルミサッシだった正面と右側の入口2カ所と窓は木製の扉に戻しました。よく見ていただくとお気づきになると思いますが、アルミサッシ時代に板で埋められていた窓も修繕しました。
まだ新しくぴかぴかですが、そのうちなじんでいくと思いますし、地元の方々からは好評だったのでほっとしています。資金面の限界もあり、屋根は最低限で外壁はそのままです。いつかみんなで塗り直す時を楽しみに、これから運営していきます。
当時の雰囲気を生かしてのんびり過ごせる空間に
建設当時の雰囲気がよく残っている二階の講堂は、そのままの雰囲気を生かして、穴が空いていた天井や剥がれていた漆喰や窓を修繕しました。
天井はすっかりきれいになって、どこに穴が空いていたのかわからないくらいになって感激です。床はじゅうたんに変え、窓際にはカウンターを設置しました。床にねそべって美しい天井を眺めたり、大きな窓から降り注ぐ光を感じながら読書をしたり、訪れた方がのんびり過ごしてもらえるように工夫しました。
多目的に利用できる広場に
JA時代に事務所として使われていた1階は、金融機関らしかったカウンターを撤去し、カウンターの後ろにあった部屋の壁を取り外し、大きなスペースにしました。ワークショップや講演など多目的に利用できる広場となります。
天井ははがすとクリーム色の天井が姿を現し、さらにそれをはがすと建築当時の梁が出てきたことは以前ブログでお伝えしました。
jcej.hatenablog.com
クリーム色の天井板は、キッチンのカウンターに生かすことにしました。壁も同じトーンの色に塗り直しています。
以前は扉の奥にあったキッチンをカウンターにしてトイレの入口を分けました(以前はキッチンの奥にトイレがあったのです)。業務用のコンロやシンクを備えています。宿泊やイベントで利用した人が一緒にご飯をつくって食べたり、料理教室イベントを行ったり、することが可能です。
増築部分を「寝台車」のような宿泊スペースに
1階の増築部分は宿泊スペースとして区切って活用することにしました。二段ベッドを設置し、10人が宿泊することができます。左側の窓が通路の窓と同じです。右側の壁には昔の「農協さん」の建物の写真を飾り、ハウスの歴史が伝えられるといいなと考えているところです。
通路部分には地元の石州瓦を使ったタイルを取り入れています。
みんなでワイワイと談話してもらうイメージでソファも設置しています。石州瓦をイメージしたソファのカラー、壁はコルクで地元のクリエイターの作品を展示することもできます。
以前からあった壁のレンガを残した談話スペースと2段ベッド。寝台車をイメージしています。ベッドは下のようなオープンタイプだけでなく、プライバシーが確保できるセミクローズドやクローズドのタイプも用意しています。
まだまだ足りないものが多く、これから皆さんと一緒につくっていけるとうれしいです!
ハウスの見学イベントあります
3月17日(日)から20日(水・祝)まで4日間「美又共存同栄ハウス」のオープンハウスを行います。11時から16時まで、施設内を自由に見ていただくことが可能です。なお、オープンハウスの後は施設を維持していくために施設利用のトライアルを実施し、見学も有料での案内となる予定です。オープンハウスでは、地域のクリエイターと制作したオリジナルグッズの販売も行いますので、変化をぜひ見に来てください!
オープンハウスの概要
日:3月17日(日)、18日(月)、19日(火)、20日(水・祝)
時間:11時から16時までの間で実施。見学時間は概ね1時間となります。
内容:施設内の自由見学とオリジナルグッズの販売
参加費:無料
駐車場が限られている関係で事前予約が必要になります。下記フォームから注意事項などをご理解の上、申し込みをお願いします。
https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLScgaFZAyd6OpzRlXRfe1c_AYl0VAW1yrCJwhbvBwaMTpz9UEg/viewform