#JCEJ 活動日記

日本ジャーナリスト教育センター(JCEJ)の活動を紹介しています!

「伸び悩んでいた自分、変わるきっかけに」ジャーナリストキャンプで得た、面白い!を原動力にする力

「ひとりの書き手としての自分を見つめるきっかけになった」。中国新聞社報道部の明知隼二さんは、2011年に島根県飯南町で開催したジャーナリストキャンプに参加してくれました。明知さんがキャンプで得た気づき、応募を考えている方へのメッセージをお届けします。

▼「ガチ」な雰囲気に驚き

当時は仕事での伸び悩みを感じ、自分がこの仕事を通じて何をしたいのかが見えにくくなっていた時期でした。そんなときにキャンプへのお誘いを受け、「ともかく何かヒントがつかめれば」という思いで参加を決めました。ただ、当初はキャンプに対して研修会のようなイメージを持っていたので、会場に到着し、想像以上の「ガチ」な雰囲気に驚いたことをよく覚えています。


▼「面白い!」を原動力にする大切さ

島根県飯南町を舞台にしたキャンプで、私はある男性のライフストーリーを書きました。過疎化が進む山で暮らす男性が、日本の戦争、そして高度成長の最前線を歩き続けてきたことに心をつかまれたからです。
ただ、はじめからこうした問題意識で臨んだわけではありませんでした。キャンプ開始時には「とにかく何か書いて形にしなきゃ」と思うばかり。過疎に関連する分かりやすい切り口として、自治会が運営するコミュニティバスについて取材を始めました。彼の人生の話はバス利用者の「興味深い余談」に過ぎなかったのです。

夜のミーティング。藤代さん(JCEJ代表)の第一声は「最初に決めた取材テーマのことは忘れてください」というものでした。「それは一度忘れて、今日いちばん面白かったことを報告してください」と。
その問いを自分に向けてみると、最も印象的だったのは男性の「余談」でした。問いかけがなければ、私はバスのことを報告し、型どおりの記事を書いていたと思います。男性の話は「余談」としてノートに埋もれたままだったでしょう。
キャンプ終了後も日々の業務後や休日に再取材を行う慌ただしい日々が続きました。それは苦しくもありましたが、つらくはありませんでした。「面白い!」と感じていたからです。原動力は「自分がそのテーマを面白いと思っているか」。私にとってのキャンプでの気づきは、この点に尽きます。

▼伸び悩みを感じているあなたへ 「誰もがジャーナリスト」の気づき

もちろん能力がすぐに伸びるわけではありませんが、仕事に向き合う気持ちは大きく変わりました。キャンプの後、自社の地方版で地元の老舗企業の若手後継者を紹介する連載を提案し、約1年続けることができました。自分の中での裏テーマは「面白がる」。「人に話を聞く」ということの奥深さを感じながら、裏テーマもおおむね実践できたように思います。

もうひとつ、キャンプは「ジャーナリスト」という言葉を広く捉えるきっかけにもなりました。これまでは肩に力が入ったイメージがあり、自分でその言葉を使うことにはためらいがありました。しかし、ウェブメディアやNPO法人、PR業界など、他業界の参加者と取材して書くという行為をともにする中で、取材・執筆という行為に関わる誰もがジャーナリズムの一端を担い、広義のジャーナリストであるということが素直に腹に落ちました。それぞれの関心やフィールドに応じ、それぞれのジャーナリズム、それぞれのジャーナリスト像がある。そんな気づきを得られたことも、自分にとっては大事な財産となりました。

キャンプは一時的に組織を離れて、ひとりの書き手/ジャーナリストとしての自分を見つめるきっかけになります。伸び悩みを感じている、自分が何をしたいかよく分からなくなった…もしそういう時期を迎えているとしたら、キャンプへの挑戦は良いきっかけになるかもしれません。