#JCEJ 活動日記

日本ジャーナリスト教育センター(JCEJ)の活動を紹介しています!

大槌で触れた優しさ、笑顔、あの日の記憶 学生インターン2013夏・活動報告(6)

夏のインターン活動報告も最終回となりました。第6回は、大妻女子大の鵜沢佳南さんです。はじめは活動への不安もあったそうですが、大槌の人の優しさや笑顔に触れ感じたこと、コミュニケーションを工夫し、試行錯誤しながらやり遂げた写真教室などについて綴ってくれました。

活動した5日間で大槌町の人の優しさに触れた。大槌に行く前は、よそ者は受け入れてもらえるのかと少し不安だったけれど、そんな考えとは裏腹に歓迎してもらい、驚いたし、嬉しかった。町の人は本当に温かかった。
活動期間中は、ご好意で臼澤さんのお宅にお邪魔させてもらった。毎日朝と夜ご飯を用意してもらい、食卓を一緒に囲んでまるで臼澤家の一員になった気分だった。おかずは、煮物やわかめの酢の物、サラダ、シソ肉巻や焼き魚、汁物・・・私が日々の生活で食べている食事量の倍はあった。初めて訪問した私たちを手厚くもてなしてくれて、こんな贅沢な生活をしていていいのだろうか?という気持ちになったくらいだ。

インターンの活動で開いた写真教室でも、町の人の笑顔が印象的だった。「いや、写真なんて」「私には撮れないよ」と遠慮するおばあちゃんたちに、初めはデジカメを手に取ってもらうこと自体が難しかった。でも、おばあちゃんが今興味があるものを会話の中で聞き出し、それを写真に残してもらうようにしてもらった。最後には笑顔になって「写真もいいもんだ」と言ってくれるおばあちゃんもいた。

別の参加者の方には、会話のきっかけを作ろうと「なにか大切なものの写真を撮りませんか?」と話し掛けると「大切なものは津波で全部流された。大切なものなんてない」という答えが返ってきた。どう言葉をかければいいのか分からずにいると、相手から「盛岡にいる娘が写メールを送ってきてくれるんだ」と話してくれた。お孫さんの祭りの写真から、娘さんが作った凝ったキャラ弁の写真まで沢山あった。見せながら、嬉しそうに説明をしてくれた。
また、あるおばあちゃんは「絆ノート」というものを持っていた。そのノートには、ボランティアで出会った人たちの名前やメッセージが書かれていた。「せっかく遠くから来た人たちがいるのに悲しい顔は見せられない」「家にこもっていても仕方がない」。心のどこかに震災当時の傷がまだ残っているのかもしれないけれど、そんな言葉で笑顔を見せてくれるおばあちゃんだった。

住民の皆さんはとても仲が良く、私が想像していたよりとても元気な方たちだった。でも同時に、2年以上経った今でも時々見えかくれする震災の記憶にも触れた。原発などのニュースは報道される機会は多いが、岩手県の情報はなかなか届いてこない。今回の写真教室で少しでも町の人に情報発信の種が芽生え、風化を防ぐ手助けになればと思う。
(学生インターン・鵜沢 佳南)

今回のインターンは5日間と短い期間でしたが、全員が悩み、迷いながらも楽しんで活動してくれました。参加した計6人の学生は、9月下旬に予定している活動報告会に向けて準備を進めています!そのほかの活動報告ブログも下記のリンクからご覧いただけます。<学生インターン2013夏・活動報告ブログ>
強く感じた「震災を伝える思い」学生インターン2013夏・活動報告(1)
思い込みに気づいた「今でしょ!」学生インターン2013夏・活動報告(2)
本当に伝えたいこと、伝えられるのは当事者 学生インターン2013夏・活動報告(3)
「目に見えない復興、伝えたい 学生インターン2013夏・活動報告(4)
震災は「過去」じゃない 学生インターン2013夏・活動報告(5)