#JCEJ 活動日記

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思い込みに気付いた「今でしょ!」 学生インターン2013夏・活動報告(2)

岩手県大槌町で行った日本ジャーナリスト教育センター(JCEJ)の夏季学生インターンプログラムが、8月23日で終了しました!「大槌で情報発信の種をまく」を目標に、計6人の学生が5日間現地に滞在、地元の方に向けて写真教室などを開催しました。19日からの後半日程で参加してくれた関西大学の柳卓知さんによる活動報告をご紹介します。

インターン初日、記者さんの取材に同行した後、車で大槌町を回った。家が立ち並んでいたという場所は基礎の撤去も進んでおり、雑草が生い茂っていた。 2日目からは毎日町内の仮設住宅の集会所を周り、写真教室を行った。参加者にどう接すればいいのか分からず不安だったが、住民の方も支援員の方も、みな暖かく迎えてくれた。


今回のインターンで初めて自分の目で「被災地」を見て、住民の方と交流していくうちに、自分はたくさんの思い込みで物事を見ていたと気付かされた。 小鎚地区にあるエールサポートセンターでのワークショップの最中、一人のおばあちゃんが突然「今でしょ!」と言い放った。すると斜め向かいに座っていたおばあちゃんが、手元にあったクイズの紙を指を差して一言、「いつやるの?」。するとまた違うおばあちゃんが待ってましたと言わんばかりに「今でしょ!」と答える。
勝手なイメージで、被災地のおばあちゃんが「今でしょ」なんて流行りの言葉を知ってるはずがない、そんな冗談を口にするほど心に余裕なんてあるはずがないと思い込んでいた。よく見かける「復興は進んでいない」という言葉にとらわれてしまい、瓦礫の処理すらろくに進んでいないと思い込んでいた。


自分の頭の中にあった大槌の姿と、実際に足を運んで見えてきた大槌は違っていた。少しではあるが仮設住宅から公営住宅に引っ越す方もいた。入居者の抽選も終わり、2棟目、3棟目の建設もこれからあるそうだ。自分たちで新しいことに取り組み、仮設内での交流を深めようと積極的に行動している方たちもいた。流行りのフレーズで掛け合いをして笑うおばあちゃんたちの笑顔は作り笑いではなく本当に楽しそうだった。
小さなことかも知れないが、復興は確実に進んでいるのではないかと感じた。

その一方で、表には出さないが、つらい気持ちは今も消えていないという方たちにも出会った。写真教室の途中、参加者の女性と外の風景を撮りに行こうという話になり集会所を抜け出した。雲のかかった空やひょうたん島の写真を楽しそうに撮っていたので「撮り出すと写真って夢中になりますよね」と言うと「カメラが好きな友達がいたんだけども未だに見つからない。その時も写真を撮っていて津波に流されたのかもな…」と津波の話が自然に出てきた時、彼女からさっきまでの笑みが消えていた。前を向いて進んでいるように見える人でも、心のなかには震災の記憶が残り続けているのだと改めて感じた。


自分の知らない世界を見て視野を広げようと思い参加した今回のインターン。 復興の進む大槌町と、残り続ける震災の傷跡の両方を目の当たりにした。5日間という短い大槌町での生活だったが、自分の目で見ることの大事さを知った今、ちょっぴり成長できたかなと思う。

(学生インターン・柳 卓知)

関連リンク
強く感じた「震災を伝える思い」 学生インターン2013夏・活動報告(1)
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