#JCEJ 活動日記

日本ジャーナリスト教育センター(Japan Center of Education for Journalists)の活動を紹介しています!

強く感じた「震災を伝える思い」 学生インターン2013夏・活動報告(1)

日本ジャーナリスト教育センター(JCEJ)は8月5日から計5日間、岩手県大槌町で学生インターンプログラムを実施しました。東日本大震災で大きな被害を受けた大槌で、情報発信を通じて町の復興をお手伝いする取り組みを、熱意ある3人の学生が担ってくれました。何を見て、どんなことを感じたのか。インターンの小林実央さんによるレポートをご紹介します。

8月9日、大槌町での5日間のインターンが最終日を迎えた。このインターンでは、情報発信の種をまくことを目標に、地元の方との写真教室を毎日行った。5日間の教室では8ヶ所の仮設集会所を回り、延べ56人の方が参加してくれた。3日目は、フリーライターの結城さんに同行し、住民の方から津波証言を聞く取材の手伝いもした。夜にはみんなでその日の活動を振り返り、夜遅くまでこの5日間で何が出来るか話し合った。

インターン初日、一体被災者の方とどんな風に話せばいいのだろう、失礼なことをいってしまったらどうしよう、そんな不安を抱えながら仮設住宅を訪問すると、「東京からわざわざきてくれたんだね、ほらどうぞどうぞ。」と、住民の方はすごく嬉しそうに私たちを迎え入れてくれた。どの仮設住宅に行っても、写真を撮りながら冗談を言い合ったりして、いつも私たちを笑わせてくれた。今回私たちの活動を一番盛り上げてくれたのは、参加者の大槌町の人たちだった。こんなに地域の方と一緒に楽しく活動ができるなんて思ってもみなかった。

私が驚いたことはそれだけではない。色々な話をしているとやはり震災、仮設住宅での生活が話題に出てくる。それまで何十年もの間生活してきた町や家が津波によって奪われ、震災の日から始まった全く違う生活。こちらから震災のことを切り出さなくてもその話題に行き着くのだ。冗談を言い合っていた時の優しい目ががらりと変わり、この出来事を伝えたい、伝えなきゃいけないんだという強い意思が、話してくれるおばあちゃん達から伝わってくる。大槌町には、この町で実際にあったことを伝えたい、伝えるんだ、そう思って私たちに震災の話をしてくれる人がたくさんいる。

今回、私が大槌町に行って気がついたことは、大槌町の人々の温かさや、元気の良さ。そして何より、震災の話を私たちに伝えたいという強い思いだった。写真教室で写真を撮り、人に写真の話をすることを通じて、情報を発信する楽しさを知ってもらうことが出来たと思う。この初めの一歩から、大槌で情報発信の芽が育ってくれたらいいなと思う。
(学生インターン・小林 実央)

活動の様子はJCEJのフェイスブックページでも紹介しています。是非ご覧下さい。<関連リンク>
「大槌みらい新聞」最新記事

津波証言の全記事はこちらから