#JCEJ 活動日記

日本ジャーナリスト教育センター(Japan Center of Education for Journalists)の活動を紹介しています!

学生がデータジャーナリズムに挑戦! 慶應義塾大学で初の実践講座が行われました

6月15日、慶應義塾大学教養研究センターが主催する「情報の教養学」シリーズのワークショップ「やってみよう!データジャーナリズム実践講座」が開催され、日本ジャーナリスト教育センター(JCEJ)運営委員の赤倉優蔵と代表運営委員の藤代裕之が講師を務めました。



ワークショップの目標は「誰でも挑戦できる」「読者を巻き込む」「チームで取り組む」というデータジャーナリズムの3つのポイントを参加者に肌で感じてもらうことです。設定されたテーマは「日本の大学の問題点」。公開されているニュースやデータをもとに問題点を見つけ出し、「慶應大学の解決策」を立案してプレゼンを行う、という実践的なワークショップです。

理工学部、政策・メディア研究科などの院生や学部生6人が、2チームに分かれて取り組みます。赤倉は「データジャーナリズムで重要なのはニュース。ニュース性があるのか?を考えながらやってもらいたい」と話し、次に日本の大学の問題点を指摘しているニュースを調査する、インターネットに公開されている関連データを調査しておく、という事前課題の成果を尋ねました。

参加者からは「データがなくて困った」などの声が上がり、裏付けとなるデータ集めに苦戦した様子でした。赤倉は「ニュースサイトを見るだけでなく、データを集めているブログを見る、国から調査を依頼されている機関や大学を確認してみては」とアドバイスしました。


藤代は「ニュース性を考えるためには問題意識を持つ必要がある。問題意識を共有しないままデータを探しても記事にならない」と話し、チームは問題意識の共有を開始しました。始めは会話が少なかった参加者同士も、次第に議論が白熱。大学の研究費や学位と就職の関係をテーマに議論が進みました。

一つ目のチームは、研究費と新聞記事の関係に注目。「理工系分野で比べた場合に、慶應大学は東京大学よりも研究費が少ないが、新聞に掲載されている割合が多い」と研究のパフォーマンスが良いことをアピールするというプレゼン。見学していた慶応の先生からは「新聞で紹介されている研究がどの研究費を使っているのか調べなければ比較できないのではないか」などの質問がありました。
二つ目のチームは、複数の異なる分野の学位を取得する「ダブルメジャー」は就職や転職に有利なので積極的に導入すべきとの案。経済や商学ではない学部出身からMBAを取得すると年収が上がる傾向にある一方で、日本の大学では25歳以上の入学者が2%で多様性に欠けると問題点を指摘しました。先生からは、「大学と大学院を同じに出来ないのでは」などの疑問が出されました。


藤代からは「先生方からの突っ込みがあったのはテーマや議論の内容に関心があるから。ニュース性を捉えていたと思う」、赤倉からは「データジャーナリズムの面白さを感じてもらえたのでは。データ調べの続きはワークショップ後も出来ます」と話し、今回のデータジャーナリズム実践講座を締めくくりました。



(JCEJ学生運営委員・石井 俊行)


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