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「被災地のことを外に伝える大きなヒントを得た」大槌みらい新聞活動報告会 参加者レポート

日本ジャーナリスト教育センター(JCEJ)が9月22日(土)に早稲田大学で開催した大槌プロジェクト報告会の様子を大学生の高橋真歩さんに、レポートしていただきました。

【概要はこちらから】

【参加者レポート】

私は普段大学で主に社会学分野の勉強をしています。その一環で、災害から一年半が過ぎた被災地の現状を学ぶため夏期休暇を利用してボランティアに行った際に、きらりベースの「NewsLab♡おおつち」にお邪魔する機会をいただき、その縁で今回のシンポジウムに参加させていただきました。
私が被災地に滞在したのは計三週間ほどですが、その短い期間だけでも被災地にあるたくさんの問題が目につきました。住居や収入、産業、高齢化、コミュニティの形成や被災者の精神的なケアから、支援団体との兼ね合いまで、東京にいるだけでは分からなかった問題を現地で肌身に感じることが出来ました。
こういった問題を地域のみで解決することはおそらくとても難しいことでしょう。そこでこれらの問題をを少しでも被災地外の人々に知ってもらうにはどうすればいいか、そのヒントを考えるために参加することを決めました。

前半のパネルディスカッションでは、三人の論者の方による貴重なお話を数多く伺うことができましたが、その中でも特に印象に残ったお話の一つは媒体の変化による読者の関心の違いということでした。スマートフォンなどの普及で現在では新聞ではなくインターネットでニュースを提供することも多くなっていますが、リアルタイムでニュースを享受できるからこそ、読者の興味が数分数秒単位で変わっていく中で本当に伝えたいことをどのように伝えていくか、様々な工夫が為されていることを聞き、伝え方のヒントになりそうだと感じました。
私自身も大学で違った価値観を持つ人と関わる中で、必ずしも伝えたいことに皆が関心を持ってくれるわけではないことを感じることが多々あります。必要なことをどのように周知していくか、そのやり方を知る上で非常に有意義なお話でした。

もう一つ印象に残ったお話は、発信することで大槌と東京を繋ぐ、というお話でした。地域の出来事や津波証言など、Facebookなどネットを介して東京の人に見てもらうことで話題になり、そこから興味を持ってもらうこともできたり、地域の間であればコンフリクトが邪魔して話せないこともネットだからこそ発信できたりといったメリットがある一方で、ネットで反応が来たことに対して「(載せた話を)消して欲しい」と仰る方もいると聞き非常に衝撃を受けました。インターネットは遠隔地であっても瞬時に情報を届けられ、また瞬時に反応が返ってくることが利点だと考え思考停止していた私にとって、被災地外の人間が被災者に関わることがどれだけデリケートなことであるかを改めて気付かされました。

そうであるからこそ、町民自らが主体となって発信していくというコンセプトは「大槌みらい新聞」の強みであると思います。被災地外の人々に地域のニュースを届けるという視点において、町民主体の発信はとても大きな可能性を持つものであると感じました。

後半では町民カレンダー体験のワークショップに参加しました。町民カレンダーという企画は地域を結び付けるとても効果的なツールだと思いましたが、それを実際に作るとなると単純に写真に撮るだけでは不十分であるということを痛感しました。最も伝えたいことをどのようにレイアウトするか、ボードを持つ人の表情やポーズ、光の当たり方や写す角度などを少し変えるだけで全く雰囲気の違う写真が出来上がり、前半のパネルディスカッションで伺った「伝え方の工夫」とはこのようにして作られていくのだと実感できた体験でした。

私は被災地出身ではないため、いざ支援活動に関わろうとするときには被災者の感情を無視していないか、どのようなことが本当に被災地や被災者のためになるのかを常に考えながら活動する必要があると考えています。その一環としてニュースや問題を発信していくことはやり方次第で非常に大きな力を持つものになると思います。外部に被災地の現在を知ってもらいつつ、地域目線を重視した復興を続けていくために、大きなヒントを得ることができたシンポジウムでした。
(高橋真歩)

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