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ワークショップ「みんなで考える、東京から被災地大槌へ伝わるニュース」参加者報告 vol.2

8月18日に開催したワークショップ「みんなで考える、東京から被災地大槌へ伝わるニュース」の参加者報告第二弾を大学院生の江角周子さんに書いて頂きました。

【イベントの概要】                            

私は、関東地方の大学院で教育について学んでいる大学院生です。教育と言っても幅広いのですが、私はそのなかでも子どもたちの学校生活の支援、心のケアというところを専門に学んでおり、普段は中学校や高校に行って子どもたちの話を聞くなど子どもたちの学校生活を支援する活動をしています。
関東といっても東京から少し距離のあるところで生活をしているので、普段、私が通っている大学の人以外の同世代の人たちと交流することがあまりありません。そのため、同世代の学生がどのような活動を通してどのようなことを考え、感じたのかを聞きたかったというのが参加理由の一つでした。私は今回、これ以外にあと2つの理由があり、ワークショップに参加しました。

まず1つ目は、被災地における活動について詳しく知りたかったということです。これまで被災地には、今年の7月に一度だけ行ったことがあるのですが、特にボランティアということではなく、現地の高校生とスポーツを通して交流をするというものでした。被災地への関心はあったのですが、それ以外に被災地とのつながりはなかったので、単純にこれまで行われた活動がどのようなものだったのかを知りたいという気持ちがありました。

次に2つ目は、情報発信について興味があったということです。
被災地に行った時に、現地の知り合いの方から「自分たちに特に何をして欲しいというわけではない、ただ、忘れないでほしい」と言われたことが、ずっと頭にのこっていました。それを受け、被災地に行った私にできることは見てきたこと、聞いてきたこと、感じたことを伝えることだと思い、発信をしようと思いました。しかし、ネット上で発信するということの責任の重さを考えたときに、現在も大変な生活をしている人がたくさんいるという状況下において私個人の思いなどをネット上で発信する勇気が持てず、結局のところ身近な人に口で伝えるという手段しかとることができませんでした。
これは発信の難しさということを考えさせられる経験で、非常にインパクトのあるものでした。この経験をきっかけに、情報発信ということに興味をもつようになりました。
今回のワークショップを通して、「誰のための、何のための活動か」ということが真に考えられているということ、そのために学生インターンの方々が地道な努力を積み重ねてこられたということが伝わってきました。与えられる存在としてではなく、主体的に動く存在として被災地の人々の捉えようと考え、彼らの力を引き出すような支援の在り方を模索するという姿勢に非常に感銘を受けました。

また、特に印象に残っていることは、「東京から大槌へ伝わるニュース」をみんなで考える活動でした。
前半の活動報告の中で、東京と大槌とでは求められているニュース、興味を持ってもらえるニュースは違うという話があり、そのニュースが大槌の人たちにどんな意味があるのかということを考えることは、正直なところ非常に難しい課題でした。しかし、グループのみんなで意見を出し合う過程で、「ニュースで人と人とをつなぐ」という軸が生まれ(またこれは他のグループにも共通していたように思えました)、その軸に沿ってニュースを考えていくことができました。この軸はこれまで私が考えたことのない視点だったため、非常に新鮮で興味深いものでした。
つながりが切れ、バラバラに暮らしている人々が情報を共有し、また、その情報をきっかけにコミュニケーションをとり、つながりを取り戻していくということはそうそう簡単なことではないとは思います。しかし、それを願う人たちが真剣に考え、アイディアを出し合う活動の時間というのは、その可能性を感じられた時間でした。
(江角 周子)

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