日本ジャーナリスト教育センター(JCEJ)の若手向け「ジャーナリストキャンプ」が4月29日から1泊2日の日程で、広島市内で行われました。参加したのは、山陰中央新報や中国新聞、長崎新聞のほか、公共団体やPR会社から14人。キャンプの様子を報告します。
一日目、まずは、ウオームアップも兼ねたJCEJ恒例のワークショップ「他者紹介」。進行は代表運営委員の藤代が担当しました。
自分で自分を紹介する「自己紹介」ではなく、2人がペアになってインタビュー(取材)し合い、相手を紹介するというものです。短い時間内にどう相手の特徴を聞き出し、表現できるか考えなくてはなりません。
参加者は最初、勝手が分からず、戸惑い気味でした。メッセージを詰め込むよりシンプルな方が伝わること、読者(今回の場合は参加者)を想定して良い質問をすることが重要であることなどのアドバイスを受けるうちに、シンプルかつユーモアあふれる紹介文が登場するようになりました。一部を紹介します。人柄が浮かぶようですね!
続いては、イノベーションや起業(アントレプレナー)を専門にする本橋健さん(日本MITエンタープライズフォーラム理事)を講師に招いたワークショップ「新しいメディアを造り出す」。どんな新しいメディアがあったらいいか、をテーマにグループに分かれてディスカッションしながら、新しいものを考え、見つけるための発想法を学びました。詳しくは、こちら(新しいメディアを創る「ジャーナリストキャンプ広島2012」1日目)に詳しいので、ご覧下さい。
夕食をはさんだ夜からは、ワークショップ「新しいメディアで表現したいこと」。本橋さんのワークショップの議論を振り返りながら、自分はどんな思いを込めたのか、自分の欲しいメディアとは何か、などをなるべく多く書き出した上で、2人ペアで対話しながら、自分の考え、興味を深堀りしていきます。深堀りするために「なぜそう思うの」「それはなぜ」とひたすら尋ね、突っ込み合っていました。
その後も「夜なべ談義」として、ソーシャルメディア活用、ビジネスモデル、取材のノウハウや悩みの3つのテーマに分かれて、夜遅くまでお互いの問題意識や関心のあることなどを語り合いました。
2日目は、1日目の議論を踏まえ、それぞれの「これから表現したいこと」をワールドカフェで話し合いました。模造紙に表現したいこと、やりたいことを書いて共有します。リラックスしながらの自由なディスカッションを通して、発想がどんどん広がり、膨らんでいました。
最後は「これから表現したいこと宣言」を、一枚の模造紙にまとめます。大きく書かれた「これから表現したいこと宣言」の周りに、色とりどりのマジックで、一人一人の宣言が並びました。「人間味のある記事を書く」「地域で愚直に生きる」「やりたいことをする。やりたくなくても、やりたいことにする」「仁多米サイコー!」などなど、さまざまです。「地域の高齢者からなるアイドルユニットをプロデュースする」というのものも。一人一人の決意、思いが伝わってきました。
締めくくりに参加者が一言ずつ話してくれた感想の一部をご紹介します。
- 同じ方向に未来を見ている人たちとつながれるのは幸せ。
- 普段東京にいて分からなかった地方の視点を感じることができた。
- 書くことは楽しい事なんだとあらためて感じたのが一番の収穫
- 同世代と話すことで、自分の考えを引き出してもらった。
- もっともっと新聞として地域を盛り上げる役に立ちたいと再認識した
- 日々業務に追われるが、初心に返ることができた
キャンプを振り返ると、最初は緊張して硬かった参加者の表情が、ワークショップや夜なべ談義を経てお互い打ち解け、最後には笑顔があふれていたのが印象的でした。参加してくださった皆様、お疲れ様でした。ありがとうございました!
こちらも良かったらご覧ください。
【代表運営委員による報告レポート】
・新しいメディアを創る「ジャーナリストキャンプ広島2012」1日目
・これから表現したいこと宣言「ジャーナリストキャンプ広島2012」2日目
【キャンプ中の様子を紹介するツイートをまとめ】
・JCEJによる「ジャーナリストキャンプ広島」をまとめました