#JCEJ 活動日記

日本ジャーナリスト教育センター(Japan Center of Education for Journalists)の活動を紹介しています!

ワークショップ「伝えたくなる文脈づくり〜クチコミマーケティングの現場から」を行いました

 10月7日に日本ジャーナリスト教育センター(JCEJ)主催のワークショップ「伝えたくなる文脈づくり〜クチコミマーケティングの現場から」を行いました。
 講師はJCEJの運営委員でもある細川さん。クチコミとは何か、クチコミになる文脈とはどんなものかなどレクチャーを受けた後、実際にクチコミを起こす文脈を考えるワークを行いました。

 レクチャーではまずはじめにPRとは何か、どんな領域を扱っているのかについて。

 マスメディアなどに情報を提供し、取り上げてもらう「パブリシティ」がPRの代表的活動ですが、インターネットの普及によってこの活動はかつてほどの有用性がなくなってきたと考えられているそうです。

 消費されない情報が増え、生活者が個人の情報ネットワークを形成しているいま、企業や団体は大量の情報を発信するだけでは生活者に届けることができなくなりました。
そのため消費者それぞれのネットワークに参加させてもらう手段としてソーシャルメディアを使うようになりましたが、マスメディアとは情報の扱われ方が違うソーシャルメディア上で話題になるためには「クチコミになる文脈」というのを想定して考えなければいけない、とお話がありました。

 マスメディアとソーシャルメディアで情報の扱われ方が違うとはどういうことか、クチコミと新聞報道の違いを比べて検証しました。全国紙のトップが、ほとんどが東京電力の話であった日、クチコミ、ソーシャルメディア上で話題になっていたことは、

用意周到すぎる、GREEの退会引き止め方法 

マックで聞いた面白い話 

などなど。

 また、NHKのニュースからは「旭川で初雪、観測史上2番目の早さ」が話題に。ソーシャルメディアで話題になったのは、二ュースサイトの主要ニュース欄に載っている東電の話ではなく、このニュースでした。

クチコミで伝えたくなることとは?

 では、クチコミで伝えたくなることとはどのようなことなのか。

 twitterなどで話題になっているものは、雲がハートの形になっていたりする珍しい瞬間の画像とか、泣けるものや笑えるもの、ダイエット情報や、肩こり対策などの便利な情報をまとめたもの。また、ついツッコミを入れたくなるようなもの。もやっとしたことには「自分ならこうする」「自分はこう思う」というようなクチコミがつきやすいそうです。

 最後まで結論を言ってしまうと、「ふーん。」で終わってしまうので、ツッコミや解釈の余地を残すことがクチコミを生むのかもしれない、と細川さん。


心を動かす文脈を設計する

 クチコミと報道は違うが、ではクチコミとはなんなのか。

 細川さんは、企業のマーケティングの課題を達成するために、どうすればクチコミになるのかというのをマーケティングに生かしていき、消費者が伝えたくなるような文脈をつくるというのがクチコミマーケティングの王道なのではないか。ブロガーに良いコメントを書いてもらう・・など、どうやって広めてもらおうという手段ばかりが考えられがちだけれど、どのプラットフォームを使うかではなく生活者の心を動かすためにはどういう文脈をつくるかを設計することが大事ではないか、と話していました。

 このレクチャーの後に、架空のそば屋「安心亭」の新商品(親子丼)を広めるために「どんな文脈をつくればクチコミが起こり、課題が達成されるのか」「その文脈をどのようにして広げれば良いか」を考える4、5人でのワークを行いました。

・290円という低価格な親子丼を売り出そうとしている安心亭からの挑戦状として、「親子丼を290円でつくってみてください」というキャンペーンを行う。

・4人席が多いという安心亭の特徴を生かして、「出会いがあるから親子丼」というコピーで「相席(愛席)おねがいします」というカードを持っていって、出会う仕組みにする。

・オフィス街にある安心亭。日本人サラリーマンの50%が普通と思っているので、そういう普通の人にあわせて親子丼を「普通の親子丼」と名づけ、「普通の」というキーワードで売り出す。パッケージに「普通の親子丼」と書き、オフィスでのクチコミをおこす・・

などのアイデアが発表されました。

ご参加頂いたみなさん、ありがとうございました!

内容は調整中ですが、次回のワークショップは11月19日(土)に行う予定です。詳細決まり次第お知らせします。

(学生運営委員・木村 愛)