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日本ジャーナリスト教育センター(Japan Center of Education for Journalists)の活動を紹介しています!

ジャーナリストキャンプ最終日 活動レポート

「ジャーナリストキャンプ2011飯南」3日目、最終日のレポートです。この日は、最終発表に向けて朝早くから追加取材へ行く人や、パソコンや紙に向かって考えている人がいました。直前まで悩んだ人が多かったようです。

最終発表では、どういうことを記事にするのか、という企画の説明をします。タイトルと5〜8個の小見出しの発表が必須です。巨大ポストイットにタイトルと見出しを書き、壁に貼って発表しました。

前日の発表・議論の後、悩み抜いたり、再取材に行くことで、たった一晩で大きく変わっている人もいました。

例えば、<中山間地域での太陽光発電の普及と課題>が記事テーマだった尾添さんです。

過疎化が進み、跡継ぎもお金もないので太陽光パネルをつけている家がほとんどない飯南町。ジャーナリストキャンプの取材に密着していた飯南高校報道部の田中くんの自宅に太陽光パネルが設置されていることが分かり、尾添さんは田中くんを取材しました。

2日目夜の発表のとき、「どうして田中くんの家はそんな中で太陽光パネルをつけているのか」ということを、その場にいた田中君に聞くことができ、地域で一番にスマートフォンにしたり、クーラーとCDプレーヤー付きの農機具をかったりという新しいもの好きのお父さんの存在と、そんなお父さんにちょっと困っている田中君の話が聞けました。

そんな背景があり、最終発表では、「だいぶ方針を転換したんですけど」と話を切り出し、「昨日一番なにが面白かったか、と言われたときに田中くんの家族がおもしろいなと思った。田舎にこういう家族がいるんだなと思ったので、それを伝えてみたい。同時に、太陽光発電を通じて過疎がおかれている状況を伝えたい」と話していました。

「生き生きと物を紹介するお父さんの姿が描けたらおもしろい」「田中くんとお父さん、お母さんの関係を軸におきつつ、地域との問題の接点を作っていくというのも、難しいけどおもしろそう」などという意見が出ていました。

最後に、参加者の方の感想として
・記者じゃない方の視点は新鮮で刺激的。自分で責任をもってアウトプットを出す、ということが一番学びにつながった。
・参加者として、良いものが書けるか不安だったが、いろんな意味で準備・構想して、ここまでたどりつけて感無量だった。新聞社をどうやって立て直すかという入り方だったが、ひとりひとりがどうやって力をつけていくか、ということしかないなと思った。
・自分がいかに凝り固まって取材して、記事を書いていたかの反省。若い人にこの経験を伝えて、面白いものを書いていきたい。
というような感想がありました。

連日の議論の中には、「これは新聞には書けないテーマである」とか、「新聞ではこの視点は入れられないだろう」という話も何度か出ていました。

普段記者として活躍している方も多い中で、皆さんが非常に悩み、苦しみながら考えていたことが印象的でした。プロの方にとって1本記事を書くことはそんなに難しくないのかもしれないけど、おもしろい記事や、役に立つ記事を書くには、こんなにも頭と体を使わなければならないし、すごく難しいことなのだと思いました。

ジャーナリストキャンプはこれで終了しましたが、まだ参加者の方には、3000字以上の記事を書く、という大きな課題が残っています。記事はネットメディアであるJBpressに掲載される予定です!

(学生運営委員・木村 愛)

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