フェイクニュース調査ガイドの日本語版完成!無料公開しました
日本ジャーナリスト教育センター(JCEJ)は、「A Field Guide to Fake News and Other Information Disorders」の日本語版「フェイクニュース調査のためのフィールドガイド」を報道機関の記者らの協力を得て作成しました。報道機関やジャーナリスト、研究者の方々に広く活用していただけるよう無料公開します。
ガイド英語版は、欧州のリサーチ機関「パブリック・データ・ラボ」が、米非営利団体「ファースト・ドラフト」の支援を受けて作成。JCEJが許可を受けて邦訳を行いました。日本語版作成に当たり、Readyforのクラウドファンディングでご支援をいただきました。
ガイド著者の一人Jonathan Gray氏(パブリック・データ・ラボ共同設立者、キングス・カレッジ・ロンドン講師)より、以下のコメントをいただきました。
日本語版の完成を嬉しく思います。ガイドを通じて、ミスリーディングなコンテンツだけでなく、プラットフォームやインフラストラクチャー、アルゴリズムに関する研究が深まることを願っています。(偽ニュースは)これらを通じてシェアされ、利益を生み、拡散性を帯びます。最近の出来事を見ても、このテーマは研究や報道、議論、そして社会政策の重要な分野だと言えます。日本でこのガイドがどう活用されるか、楽しみにしています。
<ガイドについて>
全5 章。フェイスブック上の偽ニュース拡散経路や、ツイッター上の「荒らし」行為、ファクトチェックの取り組みが読者に届いているかなどを調査する手法が、料理本の「レシピ」のような形式で図解とともに紹介されています。調査に使えるデジタルツールも多数掲載されており、目的に合わせて応用することも可能です。
第1章 フェイスブック上でフェイクニュースのホットスポットをマッピングする
第2章 ウェブ上のフェイクニュース拡散を追跡する
第3章 ウェブページの背後にある広告用の「トラッカー」に注目し、フェイクニュースのサイトを特定する
ダウンロードはこちらから。今後、ガイドを使用した講座の開催も予定しています。
JCEJは、ソーシャルメディアを活用した取材のハンドブック「A Journalist's Guide to Woring With Social Sources」の日本語版も無料で公開しており、報道機関の研修などで使用されています。こちらも是非ご活用ください。
偽ニュース調査ガイド「A Field Guide to Fake News」の邦訳を進めています
日本ジャーナリスト教育センター(JCEJ)は、欧米の研究者らが作成したフェイクニュース調査のガイド「A Field Guide to "Fake News" and Other Information Disorder」の邦訳を進めています!国内でも報道機関やジャーナリスト、研究者などに広く活用してもらえるよう、今春の日本語版公開を目指します。
ガイドは、欧州のリサーチ機関「パブリック・データ・ラボ」が、米非営利団体「ファースト・ドラフト」の支援を受けて作成。英語版は1月にインターネット上で無料で公開されました。
全部で5章あり、偽ニュースの出どころやフェイスブックでの拡散経路を追跡する方法や、ツイッター上で「荒らし」を行うアカウントの特定、ミーム(ネット上で広まるうわさ)の調査方法などが、料理本の「レシピ」のような形で図解とともに紹介されています。偽ニュースが問題となった2016年の米大統領選や、2017年の欧州選挙に基づく事例を踏まえた、実践的な内容になっています。
邦訳は、JCEJが新聞記者や研究者、エンジニアらとともに立ち上げた「フェイクニュース研究会」の仲間のサポートで進めています。2月3日(土)には、メンバーが担当部分の邦訳を持ち寄り、ブラッシュアップのミーティングを行いました。プロジェクト資金は、クラウドファンディングで多くの方にご支援いただきました。
国内では、フェイクニュースを取り巻く環境が海外と異なることも予想されます。将来的にはガイドを活用し、日本の状況に合った手法や、国内で使えるデジタルツールについても調査を進めて行きたいと思います。
邦訳プロジェクトについては、ファースト・ドラフトの記事でも紹介されていますのでご覧ください(英語記事)。
Disinformation surrounding Japan election monitored online through JCEJ verification project
Japan Center of Education for Journalist (JCEJ) and a research team led by Hiroyuki Fujisiro, an associate professor at Hosei University in Tokyo, launched an online verification project last month in the run-up to the Lower House election held on Oct. 22.
The project aimed to monitor disinformation floating around social media platforms and to provide voters with necessary information to make their own judgments about the information circulating around the election.
The project brought together researchers and journalists from a total of 19 media organizations including newspapers, television networks and online media outlets.
Since the launch of the initiative on Sept. 28, our team collaborated with these journalists by providing them with news items that could possibly be identified as fake. This information was sent out on a daily basis, up until the election day. News items or social posts debunked by three or more participants of the project were listed on JCEJ’s blog.
In Europe, an online verification collaboration called CrossCheck was launched by newsroom and technology firms to tackle the issue of fake news leading up to the French presidential election earlier this year. Likewise, JCEJ’s project was one of the first attempts to look into the ecosystem surrounding online disinformation in Japan.
The project was featured in a Kyodo News article, which was also carried by Singaporean newspaper The Straits Times, and The Japan Times. See the links below for more.
You can also read this blog post in Japanese.
【フェイク判定】「外国人が選挙に参加してる!これあかんでしょ!」「外国籍の選挙運動は違法行為にあたる!」
衆院選挙に関して、「外国人が選挙に参加してる!これあかんでしょ!」「外国籍の選挙運動は違法行為にあたる!」などの書き込みがツイッターに投稿されています。フェイクニュース確認プロジェクトの参加者は、 公職選挙法などに外国人の選挙運動を制限する規定はないことから、これらの書き込みを「フェイク」と判定しました。
<フェイク判定をした記者:5人>
「フェイク」判定を行った記者による記事が、弁護士ドットコムニュースに掲載されています。詳しくは記事をご覧ください。
関連している法律は、公職選挙法、政治資金規正法、入管法が考えられるが、総務省、法務省ともに、「外国人の選挙運動を規制するものはない」としている。(「外国人が選挙に参加してる!これあかん!」ツイートが拡散…法的にダメなのか?:弁護士ドットコムニュース)
本プロジェクトについては、下記ブログ記事をご覧ください。